【2月24日 AFP】ニュージーランドの警察は24日、22日に同国南部で発生した大地震でこれまでに98人の死亡が確認され、226人が行方不明になっていると発表した。

 記者会見した現地警察の幹部は、「がれきに人が閉じこめられている可能性はある」とした一方で、行方不明者には単に連絡が取れていないだけの人も含まれている可能性もあると述べた。

 被災地クライストチャーチ(Christchurch)の象徴である大聖堂は尖塔が折れ、建物が全壊した。最大で22人がその下敷きとなったとみられており、警察はここでの生存者救出を絶望視している。

 救助関係者の間には、ほぼ全壊した6階建ての地元テレビ局カンタベリーTV(Canterbury TVCTV)のビルでの生存者発見は難しいとの見方も広がりつつある。テレビ局と語学学校が入居していたこのビルでは、約120人が犠牲になった恐れもある。

 この語学学校は行方不明となっている生徒やスタッフの数を48人と改めるとともに、42人について所在が確認できてないとしている。行方不明者の大半はアジア人で、日本の外務省はこの語学学校にいた少なくとも27人の日本人が行方不明になっていると発表した。

■捜索活動の手を緩めず

 最後に生存者が発見されてからすでに24時間が経過しているが、警察は数百人の専門家や捜索犬、災害救助専用カメラ、集音器などを駆使して生存者発見に全力を挙げている。 

 豪、英、米、台湾、シンガポールの緊急援助隊は、約500人の現地救助隊を支援し、クライストチャーチ市内数か所で徹底的な捜索を行っているほか、郊外の被災地へも要員を送り込んでいる。CTVビル付近では、近くにある市内で1番高い26階建てのグランド・チャンセラー・ホテル(Grand Chancellor Hotel)が倒壊する恐れがある中、日本の国際緊急援助隊が徹底的な捜索活動を行っている。

 救出された人の人数は地震当日の22日夜には30人ほどを数えた。23日には全壊したパイン・グールド・ギネス(Pyne Gould Guinness)ビルで勤務中にデスクの下に入り、そのまま26時間閉じこめられた女性も救出されたが、23日に救出された人は少数にとどまった。

 市内の大半で電力は復旧したが、広い範囲で断水は続いている。昨年9月にもM7.0の地震が発生したクライストチャーチでは最近、細かな余震が続いていたため、市外の友人や親族の元に身を寄せていた市民も多い。(c)AFP/Chris Foley