【7月1日 AFP】世界最小のクジラであるセミクジラの北太平洋における個体数が約30頭にまで減少し、このうちメスはたったの8頭しかいないとする論文が前月29日、英国王立協会(British Royal Society)の専門誌「バイオロジー・レターズ(Biology Letters)」に掲載された。

 ベーリング海(Bering Sea)とアラスカ湾(Gulf of Alaska)にはかつて、数万頭のセミクジラが生息していた。だが国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)によると、19世紀に盛んに行われた捕鯨で激減し、1840年代だけで最大3万頭が捕獲されたという。

 1960年代に入ると当時のソビエト連邦が密漁を行い、個体数はさらに数百頭減った。セミクジラは今や、クジラのなかで最も絶滅の危機に瀕した種と考えられている。

 個体数の調査を行った米アラスカ漁業科学センター(Alaska Fisheries Science Center)によると、メスが8頭と極端に少ないことが大きな心配の種だという。

 北太平洋のセミクジラは、回遊ルートが主要な太平洋横断航路を横切ることもあり、船と衝突する事故も多い。研究者らは、北西航路に氷が張らなくなり、船が自由に行き来できるようになると、船との衝突による死亡数が増加する可能性があると危惧している。(c)AFP