【6月17日 AFP】チャドの反政府勢力は16日、同国東部の町を奪取したと発表した。一方で、チャド政府は、首都ヌジャメナ(Ndjamena)の約750キロ東にあるビルティーヌ(Biltine)近郊で激しい戦闘があったとしているものの、反政府側の攻撃成果については否定している。治安状況が悪化するなか、国連(UN)などはこの状況を非難し、米国も現地大使館職員の退去を開始した。

 前週末にかけても、自らをNational Allianceと呼ぶ武装勢力は、チャド東部の2つの町を奪取するとともに、目的はヌジャメナ奪取であることを明らかにしている。一方、チャド政府側は、これまでの反政府勢力側の攻撃は「宣伝行為」にすぎないと強調している。

 反政府側と政府側双方が相反する主張を行っているため、反政府勢力がイドリス・デビ(Idriss Deby Itno)大統領率いる政府側にどれほど迫っているのかは、判断が難しい状況となっている。

 米政府は、主要な職員以外の大使館職員をカメルーンに退去させていると発表した。また、国連とアフリカ連合(African UnionAU)は、反政府勢力の攻撃を非難した。

 スイス・ジュネーブ(Geneva)では、国連難民高等弁務官事務所(United Nations High Commissioner for RefugeesUNHCR)が、チャド軍が同国アベシェ(Abeche)を封鎖しており、職員の移動が非常に困難な状況にあると発表した。(c)AFP/Patrick Fort