政府主催の追悼式、今年が最後 今後は地元に政府代表が出席

政府主催の追悼式で献花する遺族ら=11日午後3時50分、東京都千代田区の国立劇場(代表撮影)
政府主催の追悼式で献花する遺族ら=11日午後3時50分、東京都千代田区の国立劇場(代表撮影)

 政府は平成24年から東京都内で開催してきた政府主催の東日本大震災追悼式を、10年目を迎えた今年を最後に終了する。今後は7年の阪神大震災などを参考にしながら、地元自治体が主催する追悼式に政府代表が出席する形も含めて検討する。

 政府は昨年1月、大震災から10年の節目を迎えることを理由に政府追悼式の開催は今年までとすると発表した。加藤勝信官房長官は11日の記者会見で、来年以降について「その時々の状況を踏まえて判断することになる」と述べた。

 政府が来年以降の追悼式主催を見送るのは、今年が節目であるだけでなく、被害が甚大だった東北での開催を求める声も地元自治体から寄せられていたからだ。政府高官は「東北選出国会議員も、地元主催の追悼式に出る人が多い」と話す。自然災害で政府が追悼式を主催したケースは東日本大震災以外にない。

 ただ、政府も何らかの形で追悼式に関わる方針で、政府高官は「阪神大震災(の被災地)が一つのモデルケースになり得る」と指摘する。阪神大震災では、発災から10年間、兵庫県主催で追悼式を行い、政府代表が出席する形をとってきた。

 菅義偉(すが・よしひで)首相は8日の参院予算委員会で、来年以降の追悼式について「国、地方で連携し、どのような形で行うことが良いのか、政府としても十分に地元と連携しながら検討させていただきたい」と答弁している。(児玉佳子)

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