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NHK受信料徴収代行業者が破産 コロナ禍での訪問営業停止が影響か

[ 2022年10月24日 05:30 ]

東京・渋谷のNHK社屋
Photo By スポニチ

 NHKの受信料徴収の訪問業務を請け負っていた仙台市の会社が破産したことが23日までに明らかになった。官報によると、7日付で仙台地裁から破産手続きの開始決定を受けた。コロナ禍で、NHKから委託を受けた戸別訪問ができなくなった影響が響いたもようだ。

 この会社は同市青葉区の広告代理店「cocodeTV」。14年5月にNHKと業務委託契約を締結。訪問営業の代行を手掛けており、公式サイト(現在は非公開)に主な取引先としてNHKの名前が記されていた。

 同社は10年7月に設立され、東北最大の歓楽街である同市の国分町で飲食店無料案内所「Cocode(ココデ)」を運営したほか、ウェブサイトの構築やラーメン店のプロデュースなども行っていた。負債総額は約1億1700万円とみられる。

 NHKはコロナ流行初期の20年4月から約半年間、全国的に訪問営業を停止し、同10月から段階的に再開した。同局関係者によると、コロナ以前は視聴者の自宅などを訪れる訪問営業の回数は1年間で延べ1億3000万回にも上ったが「コロナ以降は訪問営業が難しい環境になってしまった」と激減したと説明しており、同社はこの影響を大きく受けた可能性がある。

 さらに約300億円もの訪問経費に加え、トラブルやクレームも絶えないことから、NHKは前田晃伸会長の下で「訪問によらない営業」への転換を進めている。

 NHKは今年3月末時点の受信契約を4666万世帯と推定し、このうち業者委託の担当分を1439万世帯としていた。これを22年度には313万世帯と大幅に減らし、来年9月までに業者委託を全廃する方針。それだけに今回のように、代行業者が破産するケースが増える可能性もありそうだ。

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