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石川県内大雨 250棟超被害 小松 低体温症など7人

2022年8月6日 05時05分 (8月6日 10時00分更新)
大雨の影響で川が氾濫した石川県小松市の中ノ峠町地区=5日午前9時21分、本社ヘリ「まなづる」から(潟沼義樹撮影)

大雨の影響で川が氾濫した石川県小松市の中ノ峠町地区=5日午前9時21分、本社ヘリ「まなづる」から(潟沼義樹撮影)

 記録的な大雨の影響を受けた石川県加賀地方では五日、最高レベルの避難情報として発信される「緊急安全確保」が全域で解除された。県による午後七時時点でのまとめでは、建物被害は主に小松や白山、金沢の各市で確認。半壊一棟、一部破損一棟、床上浸水三十二棟、床下浸水二百十七棟、非住家は公共建物二棟、その他一棟の計二百五十四棟に上った。農業や水産業でも甚大な被害が出ている。
 最も甚大な影響を受けた小松市では、梯川と支流の鍋谷川の氾濫による被害確認が進む。市内全域の避難指示は解除されたが、泥水に漬かったとみられる住民も。低体温症などにより、七人が軽症となっている。
 県によると、水田への土砂流入やのり面の崩壊、農業用水路の閉塞を各地で確認。内水面水産センター(加賀市)や白山市内の養殖施設では、取水口が土砂で埋没するなどしてヤマメやイワナなど計七千二百匹が死んだ。
 避難所は小松のほか、金沢や能美各市の計五カ所で存続している。金沢市では山間部の小原町で土砂が一階居室に流れ込み、住宅が半壊。山間部の一部で避難指示を継続している。
 県が管理する道路は十三路線十七カ所で通行止めが続く。県管理の河川では二カ所で決壊があった鍋谷川に加え、新たに滓上(かすかみ)川の八カ所、前川と仏大寺川の各一カ所で護岸損壊を確認。内川や浅野川でも損壊があるとみられる。
 県は五日、対策本部会議を開き、馳浩知事が被害箇所の復旧対応や災害ごみの適正処理、中小企業・小規模事業者への支援対策などを指示。六、七両日に開催予定だった県民スポーツ大会は中止とした。
 県では災害ボランティア本部を設置し、事前登録の受け付けを開始。小松市は県内居住者、白山、能美両市はそれぞれの市内居住者に限るとしている。
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 金沢地方気象台によると、石川県内は六日は高気圧に覆われて晴れるが、湿った空気の影響を受ける見込み。加賀地方は昼すぎから夜にかけて、雨や雷雨となるところもある。予想最高気温は三四度で、熱中症の危険が高まるとして注意を呼びかける。北陸地方は今後一週間は高気圧に覆われ気温も高くなるが、期間のはじめは雨が降るところがある。

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