伝統のともしび絶やさない 東大寺お水取り用の松明作り 三重・名張

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ヒノキを割って松明を作る参加者たち=三重県名張市赤目町一ノ井の極楽寺で2022年2月11日午前10時20分、山中尚登撮影 拡大
ヒノキを割って松明を作る参加者たち=三重県名張市赤目町一ノ井の極楽寺で2022年2月11日午前10時20分、山中尚登撮影

 奈良・東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)(お水取り)で使う松明(たいまつ)を作る「松明調製」が11日、三重県名張市赤目町一ノ井の極楽寺であった。774年続く伝統行事で、作った松明は3月12日に東大寺に運ばれ、翌年のお水取りに使われる。2021年に続き今年も新型コロナウイルス感染予防のため、行列を組んで松明を運ぶ行事「松明調進」は中止して、関係者だけで車で東大寺まで運ぶ予定にしている。

 この日の松明調製には、住民組織「伊賀一ノ井松明講」や市内の協力団体「春を呼ぶ会」などのメンバー計約70人が参加した。極楽寺近くの山から高さ約30メートルのヒノキを切り出し、小分けにして境内に搬入。ナタで皮をはいだり、割ったりして長さ36センチ、幅9センチ、厚さ9ミリのくさび形の松明を完成させた。

 伊賀一ノ井松明講の新講長に就任した森本芳文さん(71)は「コロナ禍の中、松明を作ることができてほっとしている。伝統行事なので絶やすことはできない。参加した皆さんに感謝している」と話していた。【山中尚登】

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