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大阪の南北軸が強化 上島一彦箕面市長インタビュー

2022年2月9日

 大阪の南北軸を運行する北大阪急行線の延伸事業に伴い「箕面船場阪大前駅」エリアでは活況の兆しが見えている。箕面市が新駅周辺のまちづくりの一つとして整備を進めていた複合公共施設や、大阪大学箕面キャンパスがオープン。2023年度の開業を控え、関西では常に「住みよさランキング」上位の同市、上島一彦市長に現状と展望を聞いた。

「多様化・複雑化する市民ニーズに対応するために民間活力を活用したい」と話す上島箕面市長
蔵書71万冊所蔵の巨大図書館となり市民、学生らにサービスを提供している船場図書館

 −延伸がもたらす効果は。

 「箕面萱野駅」までの延伸に伴い、大阪の南北軸が強化され大阪全体の活性化につながることが期待できる。市民にとっては梅田、なんばなど都心に乗り換えなしでアクセスでき、通勤・通学が便利になる。市の中心に新駅ができるため、市街地の大部分が「駅まで徒歩・自転車圏」に。新駅を中心としたバス路線を再編することで、東西方向をはじめとする市内移動の利便性が大幅に向上。新駅周辺だけでなく、市全体の利便性がアップする。

 −「箕面船場阪大前駅」周辺では、街の新しい顔がオープンしている。

 船場図書館(1〜4階)には市の蔵書と阪大図書館の蔵書計71万冊所蔵の巨大な図書館となり市民、学生らにサービスを提供している。開館以来、毎月平均して約2万7千人に来館していただき好評だ。市の図書館を大学が運営する国内初の試みで、図書館関係者からは良いモデルになることを期待しているという声もいただいている。

 −産学連携のスポーツと健康拠点「関西スポーツ科学・ヘルスケア総合センター(仮称)」(船場東地区)の運用に力を入れているが。

 同センターは阪大の研究組織が実施する医科学研究やスポーツを、参画企業とともにさらに発展させることを目指した「健康寿命の延伸に資する拠点」にしたい。施設内で実践される予防医学研究を進め、運動機能の低下防止や介護予防の取り組みを、住民に広く還元したいと考えている。

 −「箕面市新改革プラン」を策定し、目玉に新箕面市アウトソーシング計画(新MOS計画)を打ち出した。

 多様化、複雑化する市民ニーズに適切に対応し、効率的、効果的な行政運営を図るため、民間活力を活用する。例えば現在、公立の幼稚園は四つあるが、充足率は約2割。市民のニーズに合っていない。私立とも連携しながら、質の高い教育、保育を持続的に提供するため、地域バランスを考慮して8カ所の公立幼稚園、保育所を再編する。西部・中部・東部に1園ずつ「公立認定こども園」を設置。公立保育所の既存施設を活用して0〜2歳の乳幼児特化型保育園として民営化に移行する。

 「新改革プラン」を推進し、市民に愛される持続可能な魅力あるまち「箕面」を実現し、次世代へ継承していきたい。


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