樽見鉄道車両

Q.息子が鉄道好きで、散歩がてら樽見鉄道の車両を見に行く機会があります。列車が通ると「青い電車」と指を差してうれしそうな表情を見せます。私の子どもの頃から樽見鉄道の列車は青色の印象が強いですが、なぜ青色で、いつから走っているのでしょうか。(大垣市・30代主婦)

◆根尾川イメージ、中学生が考案

 岐阜県本巣市曽井中島の樽見鉄道企画営業課の清水弘樹課長に聞きました。鮮やかな青色を基調とした車両のカラーリングは、沿線を流れ、地域に愛される根尾川を表しています。さらに両側面と前後には赤と白色のラインが入り、樽見鉄道の頭文字の「T」の字と根尾川の流れがデザインされています。

 1984年に国鉄から第三セクターとなったのに合わせ、このカラーリングの車両を導入しました。デザインしたのは、揖斐郡揖斐川町の谷汲中学校の3年生。当時の新聞記事によると、大垣や本巣市など沿線の小中学生から募集したデザイン約2千点から選ばれました。列車は主に田園地帯を走るため、春から夏にかけては草木の緑、そして秋には紅葉の黄色が背景となります。「遠くから見ても目立つ」というのも導入の理由だったようです。

 2018年に導入した最新車両も当時のままのカラーリングが採用され、現在、企業などのラッピング車両を除く3両が活躍しています。約40年にわたり、地元の中学生のデザインが脈々と受け継がれているのは、地域に密着した鉄道会社らしい魅力ですね。