【ロッテ】高1冬まで陸上部、和田康士朗プロ初安打から3安打3盗塁3得点

ヒーローインタビューでプロ初ヒットのボールを手に笑顔の和田康士朗
ヒーローインタビューでプロ初ヒットのボールを手に笑顔の和田康士朗

◆パ・リーグ ロッテ6―5日本ハム(16日・ZOZOマリン)

 次世代のスピードスターの誕生だ。「1番・中堅」でプロ初スタメンの和田がプロ初安打から一気に3安打の猛打賞。おまけに、その直後の初球に3盗塁を決める“神業”で、地元ファンの度肝を抜いた。

 「初球からいこうと思ってました」。初回の初打席で初球を迷いなく打ち返すと、打球はバーヘイゲンの足元をすり抜けセンター前へ。さらに、続く中村奨への初球で盗塁を成功させた。大きな拍手に包まれたが、“和田劇場”はこれで終わらなかった。3、5回も先頭打者で、3打席連続となる安打で出塁。そして、全て次の初球にスタートを切った。相手バッテリーは盗塁を分かっていても、50メートル走5・8秒の俊足にかなわない。5回はアウトの判定だったが、井口監督のリクエストで覆り、3連続盗塁成功だ。さらに、相手内野陣の前進守備もなんのその。1死三塁からマーティンの遊ゴロで、和田はホームへ一直線に走り出し、必死のヘッドスライディング。捕手のタッチをかいくぐった(記録は野選)。初回から安打、盗塁、得点と3度続けた。

 中学までで一度は野球をやめた。埼玉・小川高では陸上部。だが、1年夏、不完全燃焼だった野球熱が再燃した。「(高校でも野球を続けている)友達がテレビに映ってるのを見て野球がやりたいなと…」。冬に陸上部を退部。高校に在籍しながら、社会人クラブチーム・都幾川倶楽部硬式野球団の門をたたいた。卒業後は独立リーグへ。「心が折れそうになった時もありました」。ロッテでも入団から2年間は育成選手。それでも母の「悔いが残らないように」という言葉を支えに、今季開幕前の6月、支配下登録を勝ち取った。

 「ここ(お立ち台)に立つとは思ってなかったのでびっくりです。自分には足が求められるのでいい走塁ができるように頑張りたい」。おもに代走で9盗塁をしていたが、この日の3盗塁で12盗塁とし、同僚の荻野、日本ハム・西川に並んでリーグトップ。千葉の夜空に21歳の新星が輝いた。(小田原 実穂)

 ◆和田 康士朗(わだ・こうしろう)1999年1月14日、埼玉県生まれ。21歳。小学4年で野球を始め、小川高では陸上部に所属。その後高校に在籍しながら社会人クラブチーム・都幾川倶楽部硬式野球団に所属。BCリーグ・富山GRNサンダーバーズを経て2017年に育成選手ドラフト1位でロッテに入団。今年6月に支配下登録選手となった。185センチ、77キロ。左投左打。年俸は420万円。

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