日本で初めて「ボス猿」と呼ばれたニホンザル「ジュピター」の骨格標本が、これまで展示してきた日本モンキーセンター(愛知県犬山市)から故郷の大分市・高崎山に返還されることに伴う式典が17日、同センターで開かれた。
骨格は同日午後に犬山を出発。高崎山自然動物園内に4月にオープンした「高崎山おさる館」の目玉として21日から展示される。
市内の小学生ら100人近くも参加した式典では、同センターの河合雅雄・元所長が「ジュピターと高崎山のサル」の題で講演。「ジュピターは威厳がある猿だった」と思い出を語った。その後、参加者は標本の前まで近寄り、ジュピターとの別れを惜しんだ。
ジュピターは1950年代に始まった高崎山での生態調査で約160頭の群れを率いたボス猿として初めて確認された。61年の死後、標本となったが、当時の高崎山には展示施設がなく、モンキーセンターが43年間、管理していた。