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ドクターヘリ 県単独運航

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運航が始まる県のドクターヘリの同型機=県提供
運航が始まる県のドクターヘリの同型機=県提供

24日から全域で

 県は24日から、救急医療の専門医や看護師を乗せて救急現場に向かう「ドクターヘリ」の単独運航を始める。これまでは大野市の一部と嶺南地域で岐阜県や関西広域連合のヘリを共同利用していたが、県単独でのドクターヘリの導入により県全域をカバーできることになり、救命率の向上や初期治療の迅速化が期待される。(桑田睦子)

搬送時間短縮

 県のヘリは、県立病院(福井市)を拠点に、午前8時半から日没まで荒天時を除いて毎日運航する。最高速度は時速220キロで、県立病院からの飛行時間の目安は高浜町が約25分、小浜市は約20分、敦賀市は約15分、越前市は約5分になる。

 事故や急病などの場合に消防の要請を受けて出動し、広域災害にも対応する。医師が現場に向かうため、初期治療を素早く始めることができるほか、交通事故などの重傷患者の救命率向上、脳卒中や心筋梗塞こうそくの患者の後遺症の軽減が見込まれ、搬送時間も短縮できるという。

 県の人口10万人あたりの救急医療機関数(2019年4月現在)は全国平均(3・3)を大幅に上回るトップの6・5で、救急要請から医療機関への到着までの平均所要時間(19年)も全国平均(39・5分)を上回る33分を誇る。しかし、山間部を中心に時間のかかる地域があることなどから、より迅速な搬送や災害時の活用も担えるドクターヘリの導入が求められていた。

 県はすでに、嶺南地域は関西広域連合、大野市和泉地区は岐阜県と協定を結び、それぞれ2018年9月、19年5月からドクターヘリを共同利用。出動に応じて費用を負担してきたが、その他の地域はカバーできていなかったため、県は単独で運航することを決めた。各地でもヘリの導入が進んでおり、福井の運航は全国45番目。開始後も大野市和泉地区と嶺南地域での共同利用は続ける。

30分で初期治療を

 県は、「セントラルヘリコプターサービス」(本社・愛知県)に運航を委託。福井空港(坂井市)に格納庫を設け、県立病院に運航管理室を整えた。21年度当初予算には運航委託費など約2億6000万円を計上している。

 また、ヘリの出動先の離着陸場所として学校の運動場や公共施設の駐車場など約340か所を抽出。搭乗する医師や看護師は県外の病院で研修を積み、県内すべての消防局・消防本部とも患者を引き継ぐ訓練を実施した。

 県地域医療課は「救急車での搬送に時間がかかっている地域も含め、県内どこでも30分ほどで初期治療を受けられる環境が整う。県全域での救急医療体制の底上げにつなげたい」としている。

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2041696 0 ニュース 2021/05/11 05:00:00 2021/05/11 05:00:00 2021/05/11 05:00:00 運航が始まるドクターヘリ=県提供 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210510-OYTNI50008-T.jpg?type=thumbnail

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