“新冷戦”米中対立の改善なるか 「ピンポン外交」50年で式典

冷戦期に対立していた中国とアメリカの国交正常化にもつながった、いわゆる「ピンポン外交」から50年となったことを記念する式典が上海で開かれました。「新冷戦」と呼ばれるほど米中の対立が深まる中、中国としてはこうした催しを通じ、関係改善につなげたいねらいもあるとみられます。

「ピンポン外交」は、冷戦期の1971年に名古屋で開かれた卓球の世界選手権で米中の選手が交流を深めたことをきっかけに両国の関係改善が進み、その後の国交樹立にもつながったことで、スポーツを通じた外交として知られています。

上海では10日、当時の世界選手権に参加した中国の選手や上海にあるアメリカ総領事館の幹部などが参加し「ピンポン外交」からことしで50年となったことを記念して式典が開かれました。

式典には中国の崔天凱駐米大使がビデオメッセージを寄せ「双方は今、両国関係をどうしていくのか重要な選択を迫られていて、互いを尊重する『ピンポン外交』の精神を継承し、関係を安定させていかなければならない」と呼びかけました。

このあと、中国人とアメリカ人がそれぞれ混合のペアを組んで試合を行い、和やかな雰囲気のもと交流を深めました。

「新冷戦」と呼ばれるほど米中の対立が深まる中、中国としてはこうした催しを通じて友好ムードを演出し、関係改善につなげたいねらいもあるとみられます。