サービス

LCCと自治体、連携し集客狙う 到着後の足・経費助成…需要開拓に効果

 関西国際空港を拠点とする格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)は、東日本の就航先の自治体と連携して空港と観光地を結ぶ「2次交通」の整備に取り組んでいる。これまで関西になじみが薄かった地域への個人客の需要を掘り起こすのが狙いだ。

 「次は足湯行かへん?」「めっちゃええやん」。新潟県新発田市の月岡温泉では、最近あちこちで関西弁が聞こえるようになった。契機となったのが昨年3月のピーチの新潟空港就航だ。大阪市から夫と訪れた長浜美沙紀さん(27)は「新潟は遠い印象だったけど1万円以下で行けると知って旅行を決めた」と話す。

 客数がピークの半分近くに落ち込む温泉街にとって、ピーチの就航は追い風となっている。月岡温泉観光協会の飯田武志専務理事(37)は「西日本の方が新潟を旅行先の選択肢に加えてくれるようになった」と手応えを語る。

 LCCを使う個人旅行者が気に掛けるのが空港と目的地を結ぶアクセス手段だ。新潟県はピーチと連携し、ダイヤに合わせて空港と月岡温泉など県内3カ所の温泉地を結ぶバスや乗り合いタクシー路線の開設を主導。運行経費を3年間助成する制度を始めた。県の担当者は「利用は着実に伸びている。周知を進めれば伸びしろは十分にある」と定着に期待を寄せる。

 ピーチは釧路空港や仙台空港でも同様の取り組みを進め、就航地の近隣市町村も巻き込んで新規顧客の獲得を狙う。担当する同社事業戦略部の山崎晃二郎さん(35)は「地元と連携すれば需要が増える活性化モデルができた。今後の就航地でも最優先で取り組みたい」と話した。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus