パイロット養成機、不足続く ブルーインパルスにも影響―航空自衛隊
2020年06月08日07時16分
昨春、航空自衛隊の主に戦闘機パイロットの養成に使用されているT4練習機のエンジンに不具合が見つかった問題で、部品の交換作業が長引き、配備するT4が足りない状態が続いていることが分かった。
T4は曲技飛行チーム「ブルーインパルス」(宮城県・松島基地)も使用しており、防衛省は編成を6機から4機に減らし、パイロット養成用を優先させる。来年の東京五輪・パラリンピックの時期が近づけば、6機に戻す方針。
空自などによると、不具合は昨年4月、三沢基地(青森県)のT4が訓練中に発生し、片方のエンジンを停止させ緊急着陸した。異常な振動でエンジン内部が損傷したことが判明。同年1月にも浜松基地(静岡県)で、地上でエンジンを回している最中に異常があった。
振動を抑制する「バッフル」と呼ばれる部品の交換を進めているが、双発の約200機のエンジンをいったん外して作業する必要があり、時間がかかっている。
国産のT4は、教育訓練や技量維持のために使われ、飛行教育部隊がある浜松、芦屋基地(福岡県)や、戦闘機を運用する基地に配備。しかし、配備から30年以上経過し、整備しても規定通りの出力が得られない場合があり、エンジンを組み直したり、部品の配列を変えたりしながら使用している。