社会

宮古に無土器時代人骨 友利元島遺跡

 【宮古島】宮古島市城辺友利の友利元島遺跡で12日、2体の人骨などが発掘された。人骨は1体が無土器時代(紀元前900年ごろ―西暦100年ごろ)の包含層から発掘された。無土器時代とみられる人骨の発見は宮古では初めて。もう1体は人骨の近くの出土品からグスク時代(12―16世紀)のものと推測される。

宮古では無土器時代の終わる西暦100年ごろからグスク時代の始まる1100年ごろまでの歴史が空白になっているが、地元の関係者らは今回の発見が空白を埋める重要な手掛かりになると期待している。
 同遺跡はグスク時代以降の遺跡として知られていたが、昨年12月ごろに無土器時代のシャコ貝の貝斧(かいふ)が見つかり、宮古では初めて無土器時代とグスク時代の複合遺跡であることが確認された。
 調査責任者の宮古島市教育委員会の久貝弥嗣(みつぐ)さんは「地層から、無土器時代とグスク時代の関係性も読み取っていけると思う。人骨は多くの情報量を持っている。DNAなどを調べることで、どこから来た人なのかなども分かるかもしれない」と話した。
 グスク時代のものと推測される人骨の右肩近辺からは、鹿児島県徳之島で11世紀から約300年間生産されたカムィヤキと呼ばれる陶器のつぼが破損していない状態で発掘された。副葬品と推定されるカムィヤキが完全な状態で発掘されるのは非常に珍しいという。
 宮古郷土史研究会の下地和宏会長は「複合遺跡の発見は宮古の歴史を書き換えるほど重要なものだ。今後の調査で空白を埋めることができるかもしれない」と話した。今回の調査は、遺跡の上にリゾート施設が建設されるため、記録保存調査のために昨年11月から始められた。


友利元島遺跡から発掘された無土器時代のものとみられる下半身の人骨=12日午後、宮古島市城辺友利

同遺跡から発掘されたカムィヤキのつぼ=12日午後、宮古島市文化財資料室

友利元島遺跡 地図


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