大相撲 優勝の徳勝龍「ふわふわしている」喜びの心境語る

大相撲 優勝の徳勝龍「ふわふわしている」喜びの心境語る
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大相撲の幕内で最も下位の番付、幕尻の力士としては、20年ぶりの優勝を果たした徳勝龍が初場所の千秋楽から一夜明けて会見し「全然実感がなく夢のようだ。ふわふわしている」と笑顔で喜びの心境を語りました。
大相撲初場所は両横綱が途中休場して不在の中、幕内で最も下位の番付、幕尻の徳勝龍が「突き落とし」での逆転勝ちなどで白星を重ね14勝1敗の好成績で初めての優勝を果たしました。幕尻の力士が優勝するのは20年ぶりです。

初場所の千秋楽から一夜明けた27日、徳勝龍は東京 墨田区にある木瀬部屋で会見し「昨夜は興奮してあまり寝られなかった。実感は、全然ない。夢のようで、今も自分が自分ではないようでふわふわしている。優勝できる力士とは思っていなかったのでびっくりだ」と笑顔で喜びの心境を語りました。

10日目から終盤にかけて白星を重ねた逆転の「突き落とし」については場所中に急死した母校、近大相撲部の伊東勝人監督からの教えが影響しているということで、「普通は『前に出ろ』と指導されるが、伊東監督からは『はたいていい。ただ、前に出てはたけ』と指導された。そのことばで楽になった。周りからは逆転と言われるが、自分の中ではしっかり前に出ているから技が効いているんだと思う。伊東監督がいなかったら今の自分はない」と恩師に対して感謝のことばを述べました。

来場所の目標については「優勝をさせてもらったが、これからが大事だ。いい成績を残さないと笑われてしまう。ただ具体的なことは、ゆっくり休んでから考えます」と最後までマイペースを崩しませんでした。

父親 青木順次さん 「弱音を吐かない辛抱強い子」

徳勝龍の優勝から一夜明けて父親の青木順次さん(73)が、改めて取材に応じ「稽古がつらくても弱音を吐かない辛抱強い子でした」などと子どものころのエピソードを明かしました。

この中で順次さんは、26日の優勝について「今でも本当に優勝したのかなと実感がなく、不思議な感じがしていますが最後は本当にいい取組でした」と振り返りました。

徳勝龍は、幼稚園時代から順次さんから柔道を教わっていたほか、小学生のときは地元の野球チームで活躍するなど運動神経はよかったということです。

そして、小学4年生の時にわんぱく相撲の大会に出たことをきっかけに相撲を始めたということで、「大会ではほかの出場者を放り投げていました。柔道も強かったので相撲でも勝てるだろうと思っていました」と相撲を始めた経緯を明かしました。

中学生になって大阪の相撲道場に通い始めてから相撲に専念するようになり、「稽古がつらかったようで、帰りの車の中で涙を流しているのをバックミラーごしに見たこともありましたが弱音を吐かない辛抱強い子でした」と振り返っていました。

今後については「ファンがあってのプロなのでお客さんが喜ぶような取組をしてほしい」と話していました。