──今年、デビュー7周年を迎えたi☆Ris。11月24日にはパシフィコ横浜での「 i☆Ris 7th Anniversary Live 〜七福万来〜」が待ち受けている。メンバーそれぞれの活動も盛んで、声優アイドルユニットとしての地位を確固たるものにした感のあるi☆Risだが、その道のりは決して平坦ではなかった。マンスリー・インタビューではメンバーそれぞれに、これまでの軌跡と現在の思いを語ってもらった。

トップは、リーダーの“さきさま”こと、山北早紀。マンスリー・インタビュー恒例の、子供時代のことから聞いてみた。

「幼少期は人がとにかく苦手で、母親以外とは接したくないという子でした。幼稚園のお遊戯会ではみんなと一緒に練習するのがイヤで自分だけで振りを覚えて、本番ではしっかり踊っているような問題児で(笑)、小学校に入っても、いち早く帰ってきて家にこもっていました。自分の周りの空間だけあればいいというタイプでしたね」

──目立つことが嫌いだったという彼女だが、小学校高学年の頃、アイドルに興味を持ち始めて気持ちが変わっていった。

「男性アイドルに憧れ始め、自分もアイドルになってみたいなと思うようになりました。かっこよくなりたいと思って、髪をショートにしたり、親に内緒でピアスの穴を開けたりしてましたね。中学生になると、女性声優さんのかっこよさに気づいたんです。きっかけになったのは『うえきの法則』という作品で、TVで見て面白かったからDVDを買ってみると、特典映像として声優さんの座談会が収録されていたんです。主人公の植木耕助役の朴璐美さんとロベルト・ハイドン役の斎賀みつきさんが出ていたんですけど、お二人とも男の子の役をやっていて、ご本人もかっこよくて。声優さんっていいなと思うようになりました」

──高校生の頃に見た『涼宮ハルヒの憂鬱』で、声優への思いをさらに強めることに。

「平野綾さんの存在が大きかったですね。声優さんとしてもすごくて、それに加えて歌も踊りもできる人がいるんだと。私も、歌って踊れる声優になりたいと思い始めました。それで高校を卒業すると同時に、地元の札幌でタレント養成学校に通い始めんですけど、バイトも忙しくて、学校に毎日出席できなくなったりして…。そして卒業式の日に、久々に会う卒業生のみんなが、希望に満ち溢れていて、「私、このままじゃダメだな」と思って、自分なりに動いてみることにしたんです。」

──煮え切らない思いで何年かを過ごし、ネットで偶然見つけたのが、エイベックスと81プロデュースが合同開催した「アニソン・ヴォーカルオーディション」だった。

「二十歳を過ぎていましたが、アニソン歌手なら今からでも遅くない、という気持ちで応募しました。ギリギリまで悩んで、ネット経由で応募したのは応募締め切りの10分前くらいだったんですけど、幸運にも最終審査まで進むことができて、旅行気分で東京に行きました。面接ではインパクトを残したいと思って、『大きな耳と丸いほっぺがチャームポイントです!』って、アイドルらしいことを言ったりして(笑)。心残りなく審査を終えて、もしダメでもいい人生経験になったなって思ってました」

──そんな彼女に、合格の知らせが電話で届く。そのとき、合格者は自分だけではないなと直感したという。

「それで『もしかしてグループですか?』 と尋ねたんです。その通りですと言われて、上京して、i☆Risの5人のメンバーと出会いました」

──i☆Risの活動は、スパルタ合宿からスタートした。

「10日間くらい都内のホテルに泊まって歌とダンスの練習に明け暮れるという合宿が、合格してすぐの夏に2回あったんです。朝6時過ぎに起きて、外苑の神宮球場の周りを走るところから始まるんですけど、真夏の東京なんて初めてなので、いつもバテバテで。ランニングは、私かみゆたん(久保田未夢)がだいたい最下位でした(笑)」

──デビューした頃は、思うような結果が出せなかったi☆Ris。最年長ということもあり、テコ入れで辞めさせられてしまうのではないかと考えたこともあったという。しかし、2014年、TVアニメ『プリパラ』との出会いが大きな転機となる。i☆Risの全員がメインキャラクターの声優を務め、主題歌を歌うことになった。

「『プリパラ』が始まる前の3月に、新宿BLAZEで2ndワンマンライブがあったんですけど、お客さんが入らなくて、これはもうダメかもしれないと。でも、『プリパラ!』で多くのアニメファンに認知されたことで、11月の2周年ライブは、六本木ブルーシアターが超満員になって。やっとここまで来ることができた、と思いました」

──2016年11月に開催された4周年ライブは、ついに日本武道館へ。

「すごく嬉しかったです。でも、途中までは緊張しっぱなしで、やっと楽しくなってきたって思ったら終わってしまいました。これが最初で最後の武道館になったらイヤだな、もっともっとやりたいことがあったなという気持ちが残りました」

──武道館ライブを乗り越えると成長曲線が緩やかになり、再びi☆Risの活動への迷いが生まれ始めた。それをメンバーみんなで打破したのは2018年のことだった。

「『超!アニメディア劇場 LIVE in TAIWAN 2018』に出演させていただいて、初めてメンバー全員で台湾に行ったとき、台湾料理屋さんの丸いテーブルを囲んで、これからのi☆Risをどうしたいか話し合ったんです。そこから11月の6周年ライブに突入して、自分たちのやりたいことをどんどんライブに盛り込めるようになっていきました。今はすごくポジティブな気持ちでi☆Risと向かい合うことができて、本当に楽しいです」

──そして、まもなく7周年ライブがやって来る。

「パシフィコ横浜という最高の舞台を用意していただいて、あとは思いっきりやるだけだなって思っています。これからもずっと6人でi☆Risを続けていきたいし、夢は大きく紅白歌合戦への出演と東京ドームライブです!(笑)」

インタビュー・構成=鈴木隆詩

インタビュー第2回
茜屋日海夏 編 / 若井友希 編は
11月13日(水)掲載予定です。

★ i☆Risさんのインタビュー記事はこちら! ★

● 第1回 山北早紀 編 / 芹澤 優 編
● 第2回 茜屋日海夏 編 / 若井友希 編
● 第3回 久保田未夢 編 / 澁谷梓希 編
● 第4回 i☆Ris全員 編

\アプリのダウンロードはこちら!/