すべては1カ月で決まった バンダイとナムコの統合バンダイナムコホールディングス 元会長 石川祝男氏(12)

両社の文化の違いに戸惑った

05年9月に持ち株会社、バンダイナムコホールディングスが設立され、両社は経営統合しました。しかし蓋を開けると、2社の文化がまるで違いました。

例えば、バンダイでは1人のプロデューサーが複数のゲームを担当します。数をこなすために、実際の開発は外部の企業に委託します。商売への執着心が強いバンダイは「狩猟民族」のようでした。

鵜之沢さんは商売人のプロフェッショナルです。交渉相手に突っ込み、撃沈して帰ってくるということもありました。一方、ナムコは例えるなら「農耕民族」です。ゲームの企画からジックリと作り込みます。

会議でも如実に違いが表れます。ナムコはひたすらゲームの企画内容を説明します。バンダイではゲームの中身にほとんど触れず、どことコラボするか、マーケティング戦略など売り方を重点的に説明します。

各現場での両社の融合に苦労しました。グループは統合効果を早く出そうと焦り、300億円の最終赤字を計上してしまいます。

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[日経産業新聞 2018年10月22日付]

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