福島県沖に「セミクジラ」出現! 7月撮影、沖合10キロ初目撃
広野町沿岸部から約10キロの沖合で、世界で500頭程度しかいないとされるセミクジラが目撃されていたことが27日、分かった。専門家によると大人のセミクジラとみられ、本県沖で姿が確認されたのは初めてという。セミクジラは日本哺乳類学会が絶滅危惧種としている。
アマチュア鯨類研究家の今井康貴さん(31)=栃木県=が、「ユーチューブ」に投稿されていた動画のクジラがセミクジラであることを発見した。撮影した仙台市の遠藤昌弘さん(58)によると、7月29日午前11時ごろ、釣りに関する動画を撮っていた際、セミクジラに遭遇したという。「釣的動画番外編・巨大クジラが出現!」のタイトルで投稿されている。いわき市のアクアマリンふくしまの富原聖一獣医師(46)は「セミクジラで間違いないだろう。絶滅危惧のセミクジラが発見されるのは珍しい」と話した。
セミクジラは頭のこぶや、背びれを持たないことが特徴で、体長は20メートルほど。遠藤さんは「1時間半ほど船から離れなかった。船から50センチくらいまで近づいてきて、迫力があり感動した」と話した。
セミクジラの生息域は、ベーリング海北方を北限に、ハワイ諸島やメキシコのカリフォルニア半島など。浅瀬を好み、人懐っこい性格という。国内では北海道の知床半島などで姿が確認されている。今井さんによると、同市小名浜港付近でも、6月にセミクジラの目撃情報があったという。
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