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「独自路線」に壁、共闘で活路=確執依然、成否は不透明-立憲

2019年08月06日07時26分

 立憲民主党の代表が国民民主党などに立憲の衆院会派への入会を打診したのは、先の参院選で結党以来の勢いに陰りが見え、従来の「独自路線」に行き詰まりを感じたためだ。憲法改正をめぐり自民党が国民民主の取り込みを画策していることへの懸念や、傘下労組の「股裂き」に苦しむ連合の意向もあったとみられる。ただ、両党間には感情的な確執があり、先行きは不透明だ。
 「秋の臨時国会に向け、主戦場である衆院でより大きな構えをつくって論戦力を高めたい」。枝野氏は5日、国民民主の代表と国会内で会談後、記者団に方針転換の理由を語った。
 立憲は先の通常国会で、野党第1党として与党との駆け引きを主導したが、「対案路線」を掲げる国民民主と足並みの乱れが目立った。参院選比例代表の統一名簿構想も拒否。立憲単独で政権批判票の受け皿になろうとした。
 だが、参院選はれいわ新選組に支持層を奪われたこともあって伸びを欠き、比例の得票数は2017年衆院選から300万票以上減らした。「埋没への危機感から決断したのではないか」。共産党幹部は枝野氏の心境をこう推測する。
 参院選で立憲は、国民民主幹部が立った静岡選挙区に「刺客」候補を送り込むなどし、強い反発を買った。こうした経緯もあり、国民民主内には改憲勢力の一角を占める日本維新の会と参院で統一会派を組む構想も出ている。枝野氏が立憲・国民民主の一本化をまず衆院で提案したのは、参院は野党間のあつれきが大き過ぎると判断したためとみられる。
 突然の提案に、立憲内にも戸惑いが広がる。関係者によると、両院議員総会で枝野氏に対し、出席者から「立憲のコアな支持層が離れる」と危惧する声が上がった。同党の参院議員はツイッターに「率直に言って唐突だ」と書き込んだ。
 一方の国民民主は臨時役員会で、衆参ともに統一会派の結成を求めることを決めた。ただ、枝野氏が立憲会派への合流を主張したり、「原発ゼロ」など立憲の政策をのむことを事実上の条件としたりしたことに不満が強く、国対委員長はツイッターで「失望を隠せない」と批判。党関係者は「路線対立が解けなかった旧民主党に戻るだけだ」と冷ややかに語った。

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