人工透析中止問題 日本透析医学会が声明を公表

人工透析中止問題 日本透析医学会が声明を公表
東京の公立福生病院で女性患者の人工透析が中止され、その後、死亡した問題で、調査を行った日本透析医学会は、中止を希望した患者の意思が尊重されてよい事案だとした一方で、こうした場合には患者の意思を繰り返し確認することが重要だとする声明を公表しました。
この問題は、去年8月、東京 福生市の公立福生病院で、腎臓病を患っていた44歳の女性の人工透析の治療が中止され、女性がおよそ1週間後に死亡したもので、人工透析の専門の医師などでつくる日本透析医学会は、病院を訪れるなどして調査をしてきました。

学会は、声明をホームページで公表し、この女性について、重い合併症がありみずから人工透析の中止の意思を示していることなどから、患者の意思が尊重されてよい事案だとしましたが、中止した場合には苦痛がともなうため、患者の意思を繰り返し確認することが重要だとしました。

さらに、人工透析を中止したり行わなかったりした別の23人のケースについても調査し、患者もしくは家族の意思で行われていて、大きな逸脱はなかったとしましたが、一部のケースでは病院から患者に説明した具体的な内容が確認できず、詳細に記録することが望ましいとしています。

この問題については、東京都が病院に文書で改善を指導し、病院は説明文書や記録について改善する報告を提出しています。