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【政治】

「先住民族」初めて明記 アイヌ支援新法が成立

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 法律として初めてアイヌを「先住民族」と明記し、独自の文化の維持・振興に向けた交付金制度を創設する新法「アイヌ民族支援法」が十九日、参院本会議で可決、成立した。政府や自治体の責任で産業や観光の振興にも取り組み、アイヌ以外の国民との共生や経済格差の是正を図る。

 先住民族への配慮を求める国際的な要請の高まりに応えた。ただ二〇〇七年の国連宣言で民族の権利とされた自決権や教育権などは盛り込まず、付帯決議で宣言を尊重するよう政府に求めるにとどめたため、アイヌ関係者から批判も出ている。

 石井啓一国土交通相は同日の記者会見で「国会審議や付帯決議を踏まえ、確実な施行に努める」と述べた。

 新法の正式名称は「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」。

 政府はアイヌ政策推進本部を設置し、基本方針を策定。これに基づいて市町村が文化、産業、観光振興のための地域計画を作ると、関係事業に交付金が支出される。

 民族儀式に使う林産物の国有林での採取や、河川での伝統的なサケ漁の許可も簡素化する。政府は北海道白老町でアイヌ文化施設「民族共生象徴空間」の整備を進めている。

 

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