新潟三越、32年に閉鎖 「避けられない決断」無念の社長 (1/2ページ)

閉鎖が決まった新潟三越=26日、新潟市中央区西堀通(太田泰撮影)
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 新潟市古町(ふるまち)地区の「顔」が姿を消す。三越伊勢丹ホールディングス(HD)は26日、新潟三越(新潟市中央区西堀通)を平成32年3月22日に閉鎖すると発表した。買い物客が郊外のショッピングセンターに流れていることや、インターネット通販の台頭などで経営が悪化し、営業終了に踏み切った。今後は新潟伊勢丹(同区八千代)の営業を強化するとともに、新規事業にも乗り出す方針。活力が失われつつある古町地区の衰退に拍車がかかりそうだ。(新潟支局 松崎翼、太田泰)

 「できることは最大限やってきたつもり。避けられない決断だった」

 この日、同区内で開かれた記者会見で、新潟三越伊勢丹の星野圭二郎社長はこう強調し、無念さをにじませた。

 昨年8月には、中央区役所が新潟三越と隣接する高層複合ビル「NEXT21」に移転。新潟三越の来客数は増加したものの「状況を変えるには至らなかった」(星野社長)。

 新潟三越は明治40年に創業した「小林呉服店」が前身。昭和12年に「小林百貨店」として現在の場所に移転した。古町地区の顔として地元住民らから愛され、平成8年度には250億円を売り上げたが、人口減少や購買環境の変化などにより徐々に経営が悪化。店舗運営の効率化などを図ったが状況は改善せず、昨年度の売上高は129億4千万円だった。建物の老朽化も閉店の判断材料の一つとなった。

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