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テスラ、自動運転用AIチップを自社開発。11月には第3世代Autopilotハード生産へ

NVIDIA DRIVE PX2より10倍高性能と豪語

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テスラCEOのイーロン・マスク氏が、最新の収支報告において、これまで少なくとも2年のあいだ極秘に独自の自動運転用AIチップを開発していたことを明らかにしました。

このチップは完成すればModel S /3 /Xに向けた第3世代Autopilot用ハードウェア(HW3.0)に搭載され、これまで以上に完全自動運転実現の可能性を得ることになります。マスクCEOは「3か月後に専用のAIハードウェアの生産を開始する」と語っています。

現行のModel S /3 /Xに搭載される第2世代Autopilotシステムは、HW2.0もしくはHW2.5とよばれるハードウェアにAIチップとしてNVIDIAのDRIVE PX2を搭載しています。

マスクCEO曰く、DRIVE PX2は200フレーム/秒(fps)で処理が可能ですが、開発中のオリジナルAIチップは2000fpsと非常に高い能力を持つとのこと。

テスラが独自のAIチップを開発するといううわさはしばらく前からありました。ちょうど2年前の2016年にはAMDから著名なCPU設計エンジニアであるジム・ケラー氏を迎え入れました。ケラー氏は2018年4月にテスラを離れたものの、やはりCPU設計で名を知られるピート・バノン氏がその後を引き継いでいます。また、2017年にはAMDが設立したGlobalFoundriesと提携して、自社開発のチップの生産を行うという話も出ていました。

テスラはこの夏、サーフボードを発売したり、テスラ車のソフトウェアアップデートで、パーティ&キャンプモードの提供や車内で往年の名ゲーム「ポールポジション」をプレイできるようにすることを公表したりと、(収益に直接結びつかない)CEOの遊び心の部分で矢継ぎ早に話題のネタを繰り出しています。

しかしその経営に目を向ければ、低空飛行が続いたModel 3生産ペースの問題が尾を引き、今週の決算発表では7億1800万ドル(約800億円)という記録的損失を報告しました。とはいえ、マスクCEOは消費者の需要はまだまだ高く、それが今年後半の収益に結びつくだろうとの見解を示して、損失を心配する株主の心を落ち着かせています。

話をAIチップに戻せば、3か月後から新しいAutopilot用ハードウェア、HW3.0の生産を始めるとすれば、年明けにはそれを搭載するテスラのEVが販売されるようになるはず。またテスラは既存のHW2.0/2.5でもセンサー類はすでに完全自動運転対応が可能としており、マスクCEOはこれらの車両ではHW3.0へのアップグレード対応を実施する意向です。

テスラは他の自動運転車開発企業とは異なり、コストの掛かるLiDARを使わずに現在のAutopilotシステムを構築しています。そしてAutopilotの頭脳であるAIチップの自社開発化は、将来的にさらなるコストダウン効果を伴うはず。また本当にそれがNVIDIAの10倍の性能を発揮するなら、テスラオーナーがまったくハンドルを握らずに通勤できるようになるのももうすぐかもしれません。

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