稲城（いなぎ）
◆稲城（いなぎ）（稲城市）
ＪＲ南武線稲城長沼駅、京王相模原線稲城駅下車
稲城市といえばナシの産地として有名。8月下旬から9月上旬までのごく短い期間に収穫される「稲城」は生産量が少なく、幻のナシと呼ばれる。稲城長沼駅の周辺では住宅地にも収穫を終え葉を落としたナシ畑が広がる。市内の11店の酒屋では「稲城」を使ったワインも販売中。
駅を降りるとペアリーロード稲城商店街のアーチがお出迎え。公募で決まった名前で、ここでも稲城の名産品ナシが英語の「ペア」で登場。 それにラブリーを組み合わせたものだそう。マスコットの親子のキリンは「首が長くて先が見通せるからかな」と会長の遠藤誠さんも首をかしげる。「ニュータ ウン開発で今は西の方が稲城の顔になっているけど、もともとはこちらの方が中心地だったんですよ」と語る。創業50年の肉のマルミ屋店主・渋谷満さんも 「昭和40年代まではほかの駅もなかったからこの通りはすごくにぎやかでね。うちも朝から晩までコロッケを揚げてたよ」と笑う。
「昔からの商人が多くてあったかみがある。この辺は農家も多いからね。泥んこの足でも気兼ねなく来られるところだよ」と遠藤さん。稲城は都市化され過ぎていないのどかな空気が流れる街だった。（吉田美穂）
