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土砂崩れ続き井笠地域は被害甚大 決壊の小田川では重機で復旧作業

復旧作業が続く決壊した小田川の堤防=13日、矢掛町江良

 西日本豪雨は、甚大な浸水被害で多数の死者が出た倉敷市真備町地区のほかにも岡山県内各地で深い爪痕を残した。14日時点の県のまとめでは、死者・安否不明者、負傷者は10市町で100人を上回り、26市町村で1万棟を超える住宅が損壊や浸水の被害を受けるなど、水害の恐ろしさを改めて浮き彫りにした。今なお、多くの被災者が避難生活を送る一方、ボランティアらによる支援の輪も広がり、生活再建に向けた動きは徐々に本格化している。各地の状況をみた。

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 笠岡、井原、浅口、里庄、矢掛の5市町では土砂崩れや川の決壊・氾濫などが相次ぎ、死者も出ている。

 小田川の堤防が決壊した矢掛町では、中川小学校区を中心とする広い範囲で約600棟が床上・床下浸水。14日現在、計約30人が町内2カ所の避難所に身を寄せている。小田川では重機による復旧作業が続いている。

 笠岡市では北川、吉浜、生江浜地区などで川や池の水が流出し約380棟が床上・床下浸水、男性1人が溺死した。市北部の北川地区では10~12日、市地域おこし協力隊員らが聞き取り調査。同隊の男性(28)は「ショックでボランティアを頼むこともできず、うつ状態になっている被災者もいる。心のケアが必要では」と話す。

 小田川の支流が決壊するなどした井原市では、約300棟が床上・床下浸水。約40棟が被害を受けた同市高屋町地区では14日、ボランティアらが土砂のかき出しなどに汗を流した。高屋中部自治連合会・原田信裕会長(62)は「高屋地区は高齢者世帯が多く、力仕事を自力で行うのは難しい。継続的な手助けが不可欠」と訴える。浅口市と里庄町は6日から7日にかけ、池の土手にひびが入ったとして一時、付近の住民が避難した。

 一方、5市町では土砂崩れも相次ぎ、笠岡市茂平の工場では7日早朝、裏山が崩れて男性作業員6人が巻き込まれ2人が死亡、4人が重軽傷を負った。井原市でも住宅2棟が半壊となり1人が死亡。矢掛町では家屋2棟が全半壊。浅口市では2棟が一部損壊した。
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