【東京】政府は29日、米軍北部訓練場の返還地約3700ヘクタールをやんばる国立公園区域に編入し、公園区域を拡張することを官報に告示した。区域総面積は1万7311ヘクタール。世界自然遺産登録を目指す「奄美大島・徳之島・沖縄島北部および西表島」(鹿児島・沖縄)を再推薦するには、返還地の国立公園への追加は必須。登録に向けた手続きが一つ進んだことになる。

朝焼けのやんばるの山々=2017年11月6日、国頭村

 やんばる国立公園は、国内最大級の亜熱帯照葉樹林が広がり、ヤンバルクイナなど希少な動植物が多数生息しているとして2016年9月に国立公園指定された。同年12月に北部訓練場の約4千ヘクタールが返還。自然環境調査や分析を行った結果、既存公園区域と同等の価値を有しているとして、返還地の約9割を追加した。

 自然遺産登録については、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が5月、返還地などを加えるなど推薦区域の見直しを求め「登録延期」の勧告を出した。