みなかみのJR後閑駅 20日から無人化 町は撤回要望へ
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20日から無人駅となるJR上越線後閑駅
県内のJR上越線の駅

 群馬県のJR上越線の後閑駅(みなかみ町後閑)が20日から無人駅となることが18日、分かった。通学定期などを販売するみどりの窓口の営業を19日で終了する。駅は利根商業高の最寄りで、通学や観光などで1日に平均800人が利用しており、「不便になる」「トラブル時に尋ねる駅員がいないと困る」と不満の声が上がっている。町はJR東日本に無人化の撤回を求める方針だ。

◎通学や観光で1日800人利用

 同社高崎支社によると、駅の利用者数や人員配置などを踏まえて判断したという。20日以降、切符は自動券売機のみでの販売となり、券売機で買えない定期券や特急券などは、近隣の沼田駅や水上駅で購入するよう呼び掛けている。

 利用客には町内の利根商業高に通学する生徒も多い。同高2年の女子生徒は「定期券の更新が不便になる。電車が遅れても、状況を聞ける人がいなくなってしまうのは困る」と不安を口にした。別の2年の女子生徒も「改札を出た所で駅員の方がいつもあいさつしてくれていたのに」と残念がった。

 同駅は与謝野鉄幹・晶子夫妻ら町の自然を愛した歌人が降り立ったことで知られ、鉄道ファンには現在走行しているSL「D51」が保管されていた駅として親しまれる。猿ケ京など町内の温泉地へ向かうバスも停車するため、みなかみ観光の玄関口にもなっている。

 町は生活と観光への影響を懸念する。同支社から2月に無人化が伝えられ、町と町議会は3月、撤回を求める要望書をJRに提出していた。20日には前田善成町長らがJR東日本の本社を訪問し、直接撤回を求める。前田町長は「駅は住民の生活の一部。住民に十分な説明もなかった。もっと地元のことを大事にしてほしい」と話した。

 上越線は高崎駅と新潟県の宮内駅を結び、本線の35駅の中で無人駅は現在15駅。県内は土合、湯檜曽、上牧、岩本、津久田、敷島の6駅が無人となっている。

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