野依白山神社 豆焼き(年間の天候予報)

2014年2月3日撮影

2月3日といえば節分であり、鬼退治と称して各地では「豆まき」が行われる日です。
しかし、大宇陀の野依白山神社ではこの節分の日の夜に「豆焼き」と呼ばれる行事があると聞き拝見してきました。

この「豆焼き」とは、簡単に言えば「一年間の天気予報」です。
天候は農事における重要な関心事であり、いつの時代から始められたのかははっきりしないそうですが、かなり古くから行われていたように思います。
農事におけるこのような占いのような行事は、奈良市石木町の登弥神社で行われる「筒粥祭(粥占い)」も有名ですね。

夜になって、氏子らが社務所(集会所)に集まり、神事が行われます。
神事と言っても、全員で般若心経を5回程度唱和されるだけで、特別な作法はないようです。
今回、訪問した時は少し雨模様だったので、社務所内での神事となりました。

神事が終わると、本殿にお供えした「黒豆」が下されます。

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社務所内では氏子らが、豆焼きに使用する火鉢の中に炭を燃やし、団扇で仰ぎながら高温になるのを待ちます。

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さて、火鉢の中でおこした炭が真っ赤になり、いよいよ豆が並べられます。
金具に豆を並べる際には、2月が先頭で、3月、4月となり、最終が1月のようです。
また、並べる際には、先頭の2月が恵方となるようにされることが決められているようです。

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並べ終わった金具
写真の右手が2月です。

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そして、このまま火力が落ちないように調整しながら、豆が燃え尽きるのを待つのですが、これがすごい長丁場。
氏子らは、その間、酒を酌み交わし、よもやま話に花を咲かせています。

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火鉢の上に乗せてから、ようやく1時間。
ついに、豆に火が点きました。

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火が点いたことで長かった「豆焼き」も終わりかと思ったら、これからさらに1時間をかけて焼いていきます。

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そして開始から、2時間以上が経ち、長老から終わりの合図が出されました。
写真は占う直前の豆の様子で、白い部分は天候が良く、黒い部分は悪天候になるそうです。
左から2月、3月となり、一番右側が1月となります。

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焼けた豆を見ながら、長老が天候を判断されるのですが、今年の豆の焼け具合が例年より複雑で、かなり悩まれていました。

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こちらが、最終判定された「平成二十六年 天気予報」だそうです。
8月以降はあまり天気が良くないですね。

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《撮影メモ》
あまり知られていない行事で、あまり紹介されていないので、ご存じの方も少ないように思います。
今回、この行事を知ることができたのは、前ブログ記事である「平尾のオンダ」の時間待ちに入った喫茶店のオーナーに教えていただきました。
時間に追われながら、祭りばかりを追いかけるのもいいですが、ちょっと立ち寄った地元のお店でいろんなお話するのもいいもんだと感じた瞬間です。
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