囲碁一筋、真摯(しんし)に打ち込む姿勢から「囲碁の神様」の異名をとった現役最高齢の棋士九段、杉内雅男(すぎうち・まさお)さんが21日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。97歳。通夜は28日午後6時、葬儀は29日午前9時50分、東京都品川区西五反田5の32の20の桐ケ谷斎場。喪主は囲碁棋士八段の妻寿子(かずこ)さん。
宮崎県出身。1937年にプロ入りし59年、九段に昇段した。力戦派のトップ棋士で54年と58年、本因坊戦の挑戦者となった。本因坊戦リーグには通算7期在籍。タイトル獲得・優勝は2回、通算883勝677敗12持碁2無勝負。棋士生活は80年に達し、寿子さん(90)と共に男女現役最高齢の夫婦棋士として知られた。90歳を超えても毎年五分に近い星で、今年も2勝を挙げていた。今月2日の対局が最後となり、生涯現役を貫いた。
日本棋院の副理事長などを歴任、92年、勲四等旭日小綬章受章。