解散声明


男組メンバーの高橋直輝(添田充啓)の解放から一か月が経とうとしています。
6ヶ月以上にわたる不当な拘束に耐え続けた高橋の解放に向けた関係者の皆様のご尽力、そして全国各地で沖縄・高江の戦いに注視、支援を続けて下さった皆様の支援に対し、男組一同、心より感謝致します。
現在、高橋の闘いは法廷へと移り、その体調回復と生活再建も整いつつあることから、休止状態であった男組は、本日正式に解散します。

さて――
2013年の結成以来、ネットから街頭にあふれ出て来た在特会を始めとした日本のレイシストに対峙し、非暴力超圧力の「旗」を掲げ、直接抗議行動をすることによって、我々はリアルな存在であり続けようとした。
だからこそ2016年の再結成後、我々の差別反対の直接行動が、沖縄の歴史的・構造的な差別へ立ち向かうことは必然だった。そこで我々は基地問題を通して、国家というリアルと対峙した。

しかし今回、高橋直輝をはじめとする男組メンバーが、沖縄・高江のヘリパット建設反対運動において山城博治・沖縄平和運動センター議長らと共に、全く身に覚えのない、「微罪」による逮捕で、不当な長期拘留を受けたことは、これが共謀罪の予行演習であり、戦前の治安維持法における「予防拘禁」であり、人権を無視した、非人道的な行為だと、すでに少なくない人々が指摘している。
今、<テロ等組織犯罪準備罪法案>の名の下で、行動の自由と信条の自由に対する危機が日本を覆っている。我々が直面している時代のムードは、行動する人々の目を隠し、耳と口を塞ぎ、さらに手足を縛りつけようとしているのだ。
これはもちろん行動する人々――我々だけの問題ではない。

時代と社会を告発し続けてきたある映画監督の墓碑銘には、歌人・明石海人の言葉が刻み込まれている。
「深海に生きる魚族のように、自らが燃えなければ何処にも光はない」

たとえ我々が今立ち向かおうとしている時代のムードが<深海>の如く暗闇へと向かいつつあったとしても、我々は一人ひとりが目を見開き、耳を澄まし、誰かが口にした言葉に呼応し、また自らが光を放たなければならない。
我々は解散するが、タフであることが求められる時代に、一人ひとりになっても、時代のムードに抗うリアルな存在であり続けるだろう。
5年に渡る共闘に感謝する。友よ、また路上で会おう。

男組一同
2017年5月19日