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【栃木】

宇都宮市長選 佐藤さん薄氷の4選 LRTの住民説明に力

4選を決め、笑顔で花束を受け取る佐藤さん=20日、宇都宮市で

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 次世代型路面電車(LRT)事業の是非を争点に大接戦となった宇都宮市長選は二十日夜に開票結果が確定し、事業の推進を主張した無所属現職の佐藤栄一さん(55)=自民、公明推薦=が、中止を訴えた無所属新人で医師の金子達(とおる)さん(58)=民進、共産、社民推薦=に競り勝ち、四選を果たした。二人の得票差は、わずか六千二百票余り。高額な費用などへの疑問の声も一定数を占め、事業のあり方に課題を残した。

 終盤にかけて激しさを増した一騎打ちの争い。張り詰めたような空気の中、開票状況を待つ佐藤さんの事務所に「当選確実」の一報が入ったのは二十日午後十一時すぎだった。会場から拍手がわき起こり、姿を見せた佐藤さん。「遅くまで大変心配をかけた」。支持者らと抱き合って喜び、薄氷の勝利に胸をなで下ろした。

 市民の関心も高まり、投票率は前回の二〇一二年を5・5ポイント上回る41・53%。佐藤さんは三期十二年の実績を背に、LRTの必要性とともに魅力あるまちづくりを幅広く訴えた。ところが、相手候補の金子さんは、争点をLRT反対に絞った選挙戦を展開。四百五十八億円に上る事業費への批判などで厳しい追い上げを受けた。

 当選から一夜明けた二十一日、事務所で会見した佐藤さんは、LRTに関し住民への説明が不十分だったことを認めた。市がこれまで取り組んできた説明会に足を運ばなかった市民も多いことを踏まえ、「今後は一人一人に届くように、説明の仕方を工夫して磨きをかけたい。心配している人にはぜひ耳を傾けてほしい」と語った。

 一方、金子さんを支援する市民団体が選挙期間中に配布したチラシで、まだ具体化していないJR宇都宮駅西側のルートの整備も合わせると、一千億円以上の税金が使われるといった指摘があったが、これを「根拠がない数字」と否定。一九年の開業を目指す予定に変わりがないことも明言した。 (藤原哲也)

◆宇都宮市長選 確定得票

当 89,840 佐藤栄一 無 現<4>

  83,634 金子達 無 新 

 

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