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    「鉄道の父」井上勝の像 萩駅前で除幕式

    • 除幕された銅像とひ孫の井上勝重さん
      除幕された銅像とひ孫の井上勝重さん

     「日本鉄道の父」と呼ばれる萩市出身の明治政府高官、井上勝(1843~1910年)の若き日の姿をかたどった銅像「井上勝志気像」が同市のJR萩駅前に完成し、「鉄道の日」の14日、除幕式が開かれた。(大石健一)

     地元ゆかりの偉人像を建ててきた「萩まちじゅう博物館銅像建立委員会」(会長・野村興児市長)が、井上の功績を顕彰しようと建立した。式には、市民やJR関係者ら約100人が出席。野村市長が「井上公は、生涯を鉄道にささげた。当時、萩の多くの若者たちが命を懸けて日本の近代化に尽くしたことを、次の世代に伝えていきたい」とあいさつし、関係者と一緒に除幕した。

     銅像は、英国留学時代の井上の写真をもとに、京都市の彫刻家・江里えり敏明氏が制作。「志気」は井上が好んだ言葉という。留学時代、自らシャベルで蒸気機関車に石炭をくべていたといい、高さ約1・8メートルの銅像は、シャベルに足をかけた特徴的な姿となっている。費用1060万円は市民からの寄付などで賄った。

     式には、ひ孫に当たる井上勝重さん(71)(東京都港区)も出席し、「この像を見ることで、若い人たちが、世界に羽ばたく意志を持つようになってくれれば、素晴らしい」と話していた。

     井上勝は1863年に伊藤博文らと密航し、英国に留学した。現地の鉄道に衝撃を受け、帰国後の71年に明治政府の「鉄道頭てつどうのかみ」に就任し、72年に国内初の鉄道を新橋―横浜間に開通させた。東京駅前にも大正時代に井上の銅像が建てられたが、その後、撤去と設置を繰り返し、現在は駅前広場の工事により撤去中。来春、設置される予定だ。

    2016年10月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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