story

#10戸柱恭孝
「自分がやるべきことをやれば勝利につながる」
26歳、遅咲きルーキーの手応え

41試合を終えた時点で、チーム防御率はリーグトップとなる3.21をマーク。昨季までとは違う姿を見せているチームを語る上で、この男の存在は欠かせない。

背番号10、戸柱恭孝。プロ1年目とは思えぬ落ち着きをみせている、頼れる扇の要だ。

「一日一日はすごく長いですけど、振り返ってみるとあっという間でしたね」

キャンプ、オープン戦を通じて信頼を勝ち取り、セ・リーグでは2001年の巨人・阿部慎之助選手以来となる開幕戦でのスタメン出場。それから約2ヶ月が経過していく中で、41試合中、実に35試合でスタメンマスクをかぶってきた。投打に存在感を示し続け、いまや誰もが認める“正捕手”だ。

鹿児島県肝属郡出身の26歳。ドラフト指名された年齢もそうだが、実は捕手としても“遅咲き”だ。地元・鹿児島の鹿屋中央高では主に内野手としてプレー。最後の夏の大会はサードのレギュラーだった。捕手に完全に転向したのは大学1年から。「最初は抵抗がありましたよ」と笑って振り返るが、大学で過ごした4年間と、社会人での3年間で、プロへの道を掴むことになる。

「最初はキャッチャーになることに抵抗もありましたよ(笑)。でも、すぐに切り替えました。目標のプロになるまで時間はかかりましたが、全ての経験があっていまがあると思っています。だから、遠回りだとは思っていません」

配球、リード、キャッチング。さらにはバッティングと、プロの正捕手として求められるものは多いが、いずれも及第点の成績。前述の通り、チームとしての数字も、勝利にこそ繋がらない時期はあったものの、素晴らしいものを残してきている。でも、そこは捕手らしく「投手が構えたところに投げてくれているから」と、奢らない。全ては勝ってこそ。そう思うからこそ、平常心を心がける。

「チームのメンバーも揃ってきて、結果も出つつあります。自分に限らず、みんながやるべきことを、しっかりとやれば勝利もついてくると思う。自分も勝利に貢献するために、やるべきことをやり続けていきたいです」

ルーキーとは思えぬ頼もしき一言。上向きを見せるチームの中で、彼の存在は日に日に大きなものになっている。

(取材・原稿 ベースボール・タイムズ)

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