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ポスト谷名乗り!19歳山岸初V

48キロ級決勝、中村(右)を相手に大外刈りで一本勝ち、見事優勝を果たした山岸
48キロ級決勝、中村(右)を相手に大外刈りで一本勝ち、見事優勝を果たした山岸
Photo By スポニチ

 柔道の全日本女子選抜体重別選手権は9日、横浜文化体育館で7階級を行い、注目の48キロ級は決勝で19歳の山岸絵美(三井住友海上)と16歳の中村美里(渋谷教育学園渋谷高)が激突。山岸が大外刈りで一本勝ちし、来年復帰予定の女王・谷亮子(30=トヨタ自動車)への挑戦者争いはますます白熱してきた。大会終了後、78キロ超級を除く6階級の国別団体戦W杯(9月16、17日、フランス・パリ)の代表各2人ずつが発表された。

 1つの才能が、もう1つの才能を目覚めさせた。10代同士の48キロ級決勝。中村を、山岸が止めた。開始2分9秒。不用意な足技を掛け、伸びきった16歳の体に、19歳がこん身の大外刈りを繰り出す。三井住友海上・柳沢久監督に「ここで優勝しなきゃ北京はないぞ」とゲキを飛ばされたホープが、国内シニア大会初優勝を一本勝ちで決め、トップ戦線に浮上した。

 「自分の方が強いということを見せられてよかった」。ジュニアのタイトルを総なめにした昨年、中村には連勝。普段から出稽古に来る16歳を、こてんぱんにもしていた。しかし、講道館杯、福岡国際とシニアのビッグ大会で結果を出し、注目されたのは中村。「自分より年下の選手には負けられない」気持ちになったのは当然だった。

 「中村の監督が自慢ばかりしているから黙らせてこいと周囲に言われた」と笑わせたが、いつも46キロで減量も必要なかった体が、筋力アップで48キロになったのは、自分を追い込んだトレーニングの成果。柳沢監督は「もともとスピードと技術はあった。中村が出て影が薄れていったし、意地があった」と称えた。

 一方、谷もなしえなかった初出場初優勝に王手をかけながら敗れた中村は「ちょっとした気の緩みがあった。練習が足りないということ」とがっくり。それでも、全日本女子・日蔭暢年監督は「きょうは山岸の動きが良かった。谷がどういう状態で復帰してくるか分からないし、3人は横一線だと思っている」と期待を口にする。女王不在の間に芽生えた若き力は、女王復帰までにどこまで伸びるか。北京五輪の代表争いは面白い。

 ◆山岸 絵美(やまぎし・えみ)1986年(昭61)8月22日、長野県松本市出身の19歳。小2で柔道を始め、藤村女子高時代の02、03年アジアジュニア連覇。昨年はチェコ国際、今年はポーランド国際とシニアの国際大会も優勝している。1メートル49。得意技は内股。家族は両親と弟2人。

 ≪谷本オール一本でV≫63キロ級では谷本がオール一本で2年ぶりに王座を奪還。「課題はあるけど、その中で一本を取れたのが成果」と笑顔を見せた。昨年の世界選手権は決勝で苦杯。年末には師と慕った古賀稔彦氏が全日本を離れた。「最後に古賀先生が“そのまま磨け”という色紙をくださったので、今のまま一本を追求する柔道をしたい」と気持ちを入れ替え、快勝につなげた。

 ≪上野復活優勝≫70キロ級はアテネ五輪金メダリスト・上野雅恵が完全復活を遂げた。初戦から決勝まで3試合すべて一本勝ち。昨年の世界選手権で初戦敗退の屈辱を味わい、今冬の欧州遠征も外され「このままでは終われない」と一念発起。手作りヨーグルトなど食事面からケアをはじめ「今まで嫌々やっていたことを自分で考えて取り組むようになった」と心機一転を強調した。

[ 2006年04月10日 ]

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