ブルネイ元首相のペンギラン・ユソフ氏死去
「南方特別留学生」として広島文理科大(現広島大)に在籍中に被爆し、戦後はブルネイの首相を務めたペンギラン・ユソフ氏が11日、ブルネイの自宅で死去した。
94歳だった。広島大が12日に発表した。
南方特別留学生は、日本が戦時中、東南アジアの占領地から国費で招いた。広島大によると、ユソフ氏は爆心地から1・4キロの大学構内で被爆し、崩壊した建物に埋まったが、奇跡的に助かり、負傷者の救助にあたったという。
1966年に英国統治下のブルネイで首相に就き、2001~02年には駐日大使を務めた。
被爆体験を同国で伝え、広島大は13年に名誉博士号を授与。原爆投下時に広島で学んでいた9人の同留学生で最後の生存者だった。広島大の越智光夫学長は「心から哀悼の意を表します。遺志をしっかりと受け継ぎます」とコメントした。
2016年04月13日 18時28分
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