【報知映画賞】本広監督「あいつら本当にがんばった」

2015年11月26日6時0分  スポーツ報知
  • 本紙インタビューに応える本広克行監督

 ◆第40回報知映画賞 特別賞・本広克行監督「幕が上がる」

 本広克行監督は、自分そっちのけで喜んでいた。「ももクロにとっては励みになりますね。あの子たちほんとに頑張ったので」と目を細めた。ドライバーまで全スタッフの名前を覚えて現場の一体感を生んでいった姿を見ているが「あいつらなめてるんですよ。ベイマックスって呼ばれたり。監督のすごさが分かったかって言ってやりますよ」とうれしそうに笑った。

 順撮り(時系列で撮影)にこだわった。ももクロを指導する元“学生演劇の女王”の教師役に学生演劇経験者の黒木華(25)を起用。黒木の演技のすごさを目の当たりにすることが「彼女たちのいいお手本になったんですよね」。山田洋次監督(84)から映画の構造をメモ書きされながら、ダメ出しされたことは大切な経験。メモはもらって額装して飾ってある。“尾道3部作”で知られる青春映画の大林宣彦監督(77)には「俺の後継者だな」と恐れ多い言葉をもらった。

 「あの話の1年後をやりたくて」。平田オリザ氏と進める続編のドラマ企画を楽しそうに話してくれた。(角田 史生)

 ▽特別賞・選考経過 「幕が上がる」の「ももいろクローバーZ」に「青春映画の王道。本広監督の力もあった」(渡辺)などグループで評価したい声が上がり、本広克行監督の演出と合わせて決定。

 ◆幕が上がる 静岡の公立高校の弱小演劇部の次期部長に任命されたさおり(百田)は「地区予選突破」を目標に掲げる。かつて学生演劇の女王と呼ばれ、新たに赴任してきた女性教師(黒木)との出会いや、高校演劇の強豪校からの部員の転入など数々の変化を経験し、演劇部は最終目標を全国大会出場に定めて結束を強めていく。本広克行監督。

 ◆本広 克行(もとひろ・かつゆき)1965年7月13日、香川県生まれ。50歳。CM、ドラマなどの制作、演出を担当し、96年に映画「7月7日、晴れ」で劇場映画監督デビュー。03年「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」で邦画実写興行収入記録歴代1位を獲得。「踊る―」シリーズや「サマータイムマシン・ブルース」など。

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