柴田菜々子
2015年9月19日17時34分
さわやかな香りとピリッとしたからさ。鍋物などによく合う「ゆずこしょう」は、九州では昔からなじみのある薬味だ。発祥の地は大分県や福岡県など諸説ある。材料のユズと唐辛子が実る秋に作り始めると聞き、生産地の一つ、大分県日田市中津江村を訪ねた。
うねうねとした坂道を車で上ると、空が開けて、十数軒の集落が現れた。大分県は全国有数のユズ産地。迎えてくれた農家の渡辺辰已(たつみ)さん(75)もユズを作っている。自宅裏の畑では、濃い緑色のユズがたくさん実っていた。「今のは青ユズ。10月に黄色くなる」という。
渡辺さんにとって、ゆずこしょうは家庭の味だ。幼い頃は、祖母や母親がすりこぎですって作ったものを汁物に入れていたという。「寒い冬に食べると、体がぽかぽかしたなぁ」
残り:979文字/全文:1311文字
おすすめコンテンツ
メール送信に際しては、連絡先の住所・電話番号を明記ください。また、下記連絡先にご一報ください。
東京本社写真部 03-5541-8518
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
PR比べてお得!