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群馬県のニュース

あいまい「平地の3県境」確定へ 群馬、栃木、埼玉 

更新日時:2016年2月10日(水) AM 06:00
 栃木、埼玉両県との県境が不明確だったとして、群馬県板倉町は9日、埼玉県加須市、栃木県栃木市と合同で境界点を正確に決める測量作業を実施した。県境に接する3市町の職員や地権者が測量結果に合意した。「平地の3県境」は全国でも珍しく、3市町は結果を県などに報告し、3月上旬ごろ正式な県境が確定する見通し。

 3県境は板倉町役場から東約5.4キロの田園地帯にあり、かつては渡良瀬川の中だった。明治から大正にかけて行われた渡良瀬遊水地の造成事業に伴い境界点が陸地となり、現在の水田の位置とされたが、正確な場所はあいまいな状態が続いていた。

 現地では1月下旬から測量調査が行われ、9日は3市町の職員と地権者計約30人が立ち会い、用水路の中にある境界点を示すくいの位置を、地図と照らし合わせながら確認した。

 3市町は確定した県境を新たな観光資源として活用する方針。板倉町産業振興課は「歩いて行ける平地の3県境は珍しい。歴史的背景や魅力を広く知ってもらえるよう連携していきたい」と力を込める。町は県境を紹介するチラシを独自に作成し、谷田川揚舟(あげぶね)ツアーや渡良瀬遊水地と相乗効果を狙う。

 20年ほど前から手製の看板でPRを続けてきた栃木県側の地権者、古沢満明さん(82)=栃木市藤岡町下宮=は「北関東は全国の魅力度ランキングで毎回のように最下位を争っている。地域を売り出す一助にしてほしい」と要望した。

 3県境は数年前からテレビ番組やインターネットなどで話題になり、県境付近をまたいだり、記念撮影する見物客が現れるようになった。測量は住民からの要望があったため、栃木市が提案。測量費用の約130万円は3市町が分担した。

※詳しくは「上毛新聞」朝刊有料携帯サイト「上毛新聞ニュース」でご覧ください。

3県境確定のための作業に立ち会う自治体職員ら