これぞ監視社会の恐怖!! 世界中の監視カメラの映像をのぞくことができるサイトが発見され、インターネット上で大きな話題となっている。問題となっているのはロシアのウェブサイト「insecam」。同サイトでは街中や店内、自宅玄関などなんと、世界120か国の監視カメラが撮影している映像をリアルタイムで配信しているから恐ろしい。日本の6000を超える監視カメラの映像も無断で流され続けており、防犯カメラが一歩間違えば犯罪に使用される可能性もある。
同サイトの対象となっている国は米国、ロシア、フランスといった大国からイラン、クウェートなど中東国にモナコ、サンマリノなど小国まで世界120か国以上。日本もこの中に含まれており、20日午前での公開規模は米国の7645カメラに次ぐ6291で、3番目のイタリア(1592)以下を大きく上回る。
国内に限定しても、北は北海道から南は沖縄までと全国各地の監視カメラの映像が配信されている。場所も多岐にわたり、有名コーヒーチェーンや携帯電話ショップ、回転ずし、コインランドリー、デパート、マッサージ店まである。
歯科医院では患者が世界に映像が流されているとは知らずに、口を大きくあけ、飲食店のバックヤードは女性店員たちが談笑。合コンをする女性は谷間も全開と無防備な様子が映されている。また、ホテルの受付の映像では利用客の顔がくっきり。これで浮気などがバレたら目も当てられないだろう。
監視カメラには設置者の意図が感じられるものもある。コンビニエンスストアの映像では、店員らしき男性の真上からレジを打つ姿にフォーカスが当てられる。防犯であれば真上に設置する必要はなく、おそらく店員が金をくすねないかチェックしているのだろう。
精神病の隔離治療を行っているとみられる部屋では、男性が裸で暴れる様子や、それをなだめる別の男性の姿が。カメラには「BEASTMAN(野獣男)」と名前がつけられており、この施設の男性に対する悪意もうかがえる。
写される人の誰もが監視カメラを意識している様子はなく、現代社会では日常的に誰かにのぞかれていることが分かる。
「insecam」のサイト上の説明によれば、これらの映像はハッキングされて盗まれているのではなく、購入時のまま変更せず初期パスワードを使っているカメラに侵入しているという。初期パスワードの情報はインターネットで簡単に調べられるため、パスワード変更の啓蒙活動のためにこのサイトを運営していると説明している。
しかし、警備関係者は「監視カメラの映像は非常に多くの問題を抱えています。プライバシーの問題はもちろんですが、店内の映像から場所が発覚すれば、誰もいないと確認してから盗みに入ることも可能ですし、コンビニでは客がいないことを確認して強盗に及ぶこともでき、犯罪に利用される可能性は高い」とその危険性を指摘する。
一方、同サイトでは映像に使用された監視カメラの製造メーカーまで分かるようになっており、スウェーデンのアクシス、中国のフォスカムに加え、ソニーやパナソニックといった国内メーカーの名前もみられる。
監視カメラの設置者の意識改革も重要だが、製造メーカーも映像が盗まれないよう早急な対策が必要だ。
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