もののけ姫
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スタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」公開記念 宮崎駿が命を描く冒険歴史活劇が登場!

圧倒的な映像の力で浮かび上がる人と自然の共存という壮大なテーマ

もののけ姫 スタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」がいよいよ7月16日に公開。それに先駆けて7月の金曜ロードショーは3週連続ジブリの名作を放送。“ジブリがいっぱいシリーズ”第1弾として登場するのは、宮崎駿が日本中を、そして世界を驚嘆させた名作「もののけ姫」。自然と人間が共生していくことの厳しさをテーマに、一人の青年と少女の愛と冒険をダイナミックに描く歴史活劇だ。

時代は室町。小さな村の王族である青年・アシタカが暴走する猪神を殺し、身体に呪いを受けてしまう。その呪いを解くため、彼は生物の生と死をつかさどるシシ神の待つ遥か西の国へ旅に出ることに。そこでは人間と、彼らの侵略から森を守ろうとする犬神たちが激しい戦いを繰り広げていた。ある日アシタカは、犬神に育てられた“もののけ姫”と呼ばれる少女・サンと出会い、生命力に満ちた彼女に心を奪われる。人間を激しく憎んでいるサンも、アシタカの真摯な姿勢に少しずつ心を開き始めるが、そんな矢先、森を守る獣たちと人間の間で、互いのすべてを賭けた激しい戦いが勃発! その影にはシシ神の首を狙う謎の男たちの陰謀が…。

“アニメは子どものもの”というサビ付いた固定観念をアッサリと覆す、荒々しく躍動感あふれる戦闘シーンは、黒澤明監督の「七人の侍」にも劣らない迫力。その一方で、世界遺産の屋久島や白神山地でロケハンされた森の緑の美しさは、静謐さと透明感に満ちて生命の神秘を感じさせる。死の残酷さと滅びゆく森を真っ正面から描くからこそ、「生」と「命」の強さがヴィヴィッドに浮かび上がる仕掛けだ。また、CG技術によって可能になったこれまでにないアングルの映像は、公開から15年近くが経過した今観ても新鮮で斬新だ。

もののけ姫 そんな圧倒的な画の力の前に展開するのが、純粋な青年・アシタカと少女・サンの心の交流だ。自分を育てた森を身を挺して守ろうとする姿が痛々しいほど健気なサン。そして森の神とも人間とも正面から対峙するアシタカの真っ直ぐな瞳。凄惨な戦いの中で成長し、互いに対する深い愛情を育んでいく2人の姿に胸を打たれる。一方で、森を破壊する人間の代表・エボシ御前の姿もまた、正義としか言いようのない強さと信念に満ちて、心を掴んで離さない。

「コクリコ坂から」にも声優として参加する石田ゆり子をはじめ、松田洋治、田中裕子ら主演3人の声の存在感が圧倒的。ほか、私欲からシシ神の首を狙う正体不明のジコ坊に小林薫。アシタカを導く巫女のヒイさまに森光子。イノシシの大群を率いる神・乙事主に森繁久彌。そしてサンの育ての親である犬神・モロの君に美輪明宏と、豪華な顔ぶれが続々登場。また、ハードな物語の中でコメディ部門を担う森の精霊・コダマや、荘厳な神獣・シシ神、アシタカの相棒のヤックルなど、ユニークで愛すべきキャラクターにも注目だ。

自然と人間は戦わずに、共に生きていくことはできないのか。「風の谷のナウシカ」から「となりのトトロ」「崖の上のポニョ」まで、宮崎駿監督が幾度となく問いかけてきたテーマが全編を通して溢れだす。地震や台風など、古くから大きな自然災害に幾度も見舞われ、その自然の恐ろしさを知りながらもなお、ここで生きて行かなければならない我々にとって、それは決して答えの出ない永遠のテーマであり続けるのだろう。

社会派ドラマとしても、青年と少女のピュアな愛を描く壮大なロマンスとしても、人と神との壮絶なバトルを描く冒険活劇としても。超一級の面白さを放つ極上のエンターテインメントだ。

神々と人間との己のすべてを賭けた戦いの中で、1人の青年と少女が選んだ“生きる道”とは…

もののけ姫 北の果て。小さく平和な村に“タタリ神”に姿を変えたイノシシが現れた。村の青年・アシタカ(松田洋治)は、村の者たちを守るためやむなくタタリ神を殺し、その呪いを身に受けることに。タタリ神とは、怒りと憎しみに精神を喰い荒らされた獣たちの最期の姿。村の巫女・ヒイさま(森光子)から呪いを絶つための方法が西にあると告げられたアシタカは、相棒のヤックルと共に旅に出ることに。

謎の男・ジコ坊(小林薫)からタタリ神の身体から出てきた鉄の玉を作っている“タタラ場”の存在を教えられたアシタカは、さらに西へ向かう。その途中、巨大な犬神・モロの君(美輪明宏)に襲われた甲六(西村雅彦)を助けた彼が目にしたのは、モロの君と行動を共にする美しい少女・サン(石田ゆり子)。彼は、荒々しくも気高いサンの姿に心を掴まれる。

すべての生命をつかさどるとされるシシ神の森を通り抜け、アシタカは甲六の故郷・タタラ場へ。そこは、エボシ御前(田中裕子)という女性が率いる鉄の精錬所。侍社会から虐げられた者たちが生きて行くために、彼らは森を切って鉄を打ち、独立した社会を築いていた。そんな彼らからシシ神の森を守るため、モロの君とサンは日々戦い続けていたのだ。

アシタカがタタラ場を訪れた夜。エボシ御前にモロの君を傷つけられ、怒りに燃えたサンがタタラ場を襲撃。2人の間で激しい戦いが繰り広げられる中、アシタカは石火矢の傷を負いながらも、サンを救出。シシ神の森に彼女を還すことに。

もののけ姫 その途中、目覚めたサンは傷ついたアシタカに止めを刺そうとする。しかし、彼が放った「生きろ、そなたは美しい」という一言に心を動かされ、シシ神に彼の命を預けることに。翌朝、巨大なディダラボッチから立派な角と人面を持つ鹿の姿に戻ったシシ神は、アシタカの傷を癒し、彼の命を長らえる決断をする。シシ神の思いを受けたサンは隠れ家にアシタカを匿い、彼の体力を回復させるために全力を尽くすのだった。

そんな中、鎮西(九州)からやってきた、乙事主(森繁久彌)という猪神が率いるイノシシの大群がシシ神の森に現れた。圧倒的な力で山を切り崩し、森と獣たちを傷つける人間たちに最期の戦いを挑もうというのだ。知恵者である乙事主までが勝ち目のない戦いに身を投じようとする現実に、心を痛めるサン。一方、サンのお陰ですっかり傷も癒えたアシタカは、モロの君に人間と自然が共存できる方法はないのかと問いかける。森を傷つける人間に深い憎しみを抱くモロの君とアシタカの思いは平行線で、結局彼はシシ神の森を去ることに。同じ頃、ジコ坊率いる唐傘連やジバシリたちは、エボシ御前と手を組んで、不老不死の力を持つというシシ神の頭を手に入れるための準備を進めていた。

遂に、乙事主たちがタタラ場に向けて襲撃を開始。それが罠だとわかっていながらも自らを犠牲にする彼らをなんとか救おうと、乙事主と行動をともにするサン。彼女の危機を察知しタタラ場に戻ったアシタカが見たのは、侍たちに攻め込まれ壊滅寸前のタタラ場を守っている女たちの姿だった。彼女たちのため、アシタカはエボシ御前を探して戦いの前線へ向かう…。

エボシ御前とジコ坊の策略により、イノシシたちは全滅。しかし人間も大きな痛手を負っていた。辛うじて命を取り留めた乙事主は、サンとともにシシ神の元へ向かうが…。憎しみに喰われタタリ神へと姿を変える乙事主。彼の暴走がシシ神を、そしてサンを、究極の危機に陥れる!

人間と森の神々が争わずに生きていく術は本当にないのか? サンの命を、そしてシシ神とすべての生命を救うために、アシタカが森を駆け抜ける!

もののけ姫

キャスト

<アシタカ>
松田洋治
<サン>
石田ゆり子
<エボシ御前>
田中裕子
<ジコ坊>
小林薫
<甲六>
西村雅彦
<ゴンザ>
上條恒彦
<トキ>
島本須美
<タタリ神>
佐藤允
<牛飼い>
名古屋章
<モロの君>
美輪明宏
<ヒイさま>
森光子
<乙事主>
森繁久彌

スタッフ

<原作・脚本・監督>
宮崎駿
<製作総指揮>
徳間康快
<製作>
氏家齊一郎
成田豊
<プロデューサー>
鈴木敏夫
<製作担当>
奥田誠治
<作画>
安藤雅司
<美術>
山本二三
黒田聡
田中直哉
武重洋二
男鹿和雄
<色彩>
保田道世
<撮影>
奥井敦
<CG>
菅野嘉則
片塰満則
百瀬義行
<音楽>
久石譲
(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
<主題歌>
米良美一 「もののけ姫」
詞:宮崎駿 曲:久石譲
<音響>
若林和弘
<調整>
井上秀司
<効果>
伊藤道広