自然とふれあうことにより、私たちは深い感動や安らぎを得ることができます。国立公園は、次の世代も私たちと同じ感動を味わい楽しむことができるように、すぐれた自然を守り、後世に伝えていくところです。このため、国立公園では様々なきまりがあり、大勢の人が活動しています。
まずは国立公園とは何なのか、ご紹介していきます。
国立公園とは
日本を代表するすぐれた自然の風景地を保護するために開発等の人為を制限するとともに、風景の観賞などの自然と親しむ利用がしやすいように、必要な情報の提供や利用施設を整備しているところです。
自然公園法という法律に基づいて国(環境省)の指定を受け、管理されています。
平成27年3月現在、全国で32箇所が指定されていて、面積の合計は約211万ヘクタール、日本の国土面積の約5.6%を占めています。
日本の自然公園制度の歴史
昭和6年に国立公園法が制定され、昭和9年に日本で最初の国立公園として、瀬戸内海、雲仙、霧島に指定されました。昭和32年には国立公園法を全面的に改定して自然公園法が制定され、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園といった現在の自然公園体系が確立されました。
その後、これまでに、風景の保護と利用のために様々な制度や仕組みなどを追加して、きめ細かな管理ができるようにしてきました。
- 国立公園年表 [PDF 622KB]
(パンフレット「国立公園の仕組み-美しい日本の自然とその継承-」より)
日本の国立公園の特徴
地域制自然公園
狭い国土に大勢の人が住み、昔から土地を多目的に管理・利用してきた日本では、アメリカやオーストラリアなどのように国立公園の土地すべてを公園専用とすることはできません。そのため、日本の国立公園は、土地所有に関わらず公園を指定できる地域制自然公園制度を採用していて、多くの私有地が含まれています。
国立公園内に住んでいる人も多く、農林業などの産業も行われていることから、国立公園の管理は、人々のくらしや産業などとの調整をしながら進められています。
【伊勢志摩国立公園】
...公園区域の9割以上が私有地
風景の保護
自然公園法に定める保護の対象は「自然の風景地」であり、厳密に言えば「自然環境保全」や「生物多様性保全」とは概念が異なります。ただし、人が感じる風景には視覚だけでなく、五感で感じるものまでが含まれていて、自然を包括的に認識することにより自然環境の保全や生物多様性の保全にも大きく寄与しています。
国立公園でのアクティビティー
国立公園は、自然についての知識を深めたり、健康やレクリエーションのために自然とふれあうところでもあります。登山、ハイキング、スキー、キャンプ、カヌー、シュノーケリング、バードウォッチング、自然観察など自然とのふれあい方はいろいろあります。
このようなアクティビティーを多くの方に楽しんでもらえるように、ビジターセンターや歩道、案内板などの施設の整備のほか、自然観察会なども開催しています。
西表石垣国立公園
大山隠岐国立公園