日野市での梨栽培は、昭和初期ころから始まり、当時は約80園の梨園があり、市場への共同出荷が主でした。しかし、都市化とともに農家数も減少して現在は24園です。もぎたての梨の直売や宅配による全国発送を行っています。

多摩川梨とは多摩川流域で栽培している梨の総称です。梨と言っても8月から収穫が始まる「幸水」から「稲城」「豊水」「あきづき」そして巨大梨の「新高」や「新興」と11月ごろまで秋の味覚を楽しめます。

多摩川梨

ブドウ

日野市で栽培されている「ブドウ」の主力は「高尾」という品種で、立川市にある東京都農業試験場(現在、東京都農林総合研究センター)で巨峰の実生から選抜した東京生まれの品種です。

巨峰よりやや小ぶりで果肉は締まっていて、甘みが強い種なしブドウです。

濃厚な味わいが口いっぱい広がり、一度食べたら忘れられない味。毎年楽しみにしているファンも多いブドウです。

高尾ぶどう

東光寺大根

日野の冬の風物詩などと言われていることが多い「東光寺大根」は「練馬大根」の流れを受け継ぎ、辛みが多く少し苦いことから、もっぱら漬け物用に加工されます。全体に細く、首の所は10円玉くらいの太さしかありません。

農家の中には自家で漬物にしているところもあり、庭先販売や市内の農産物直売所でも販売されています。

東光寺大根干し風景

トマト

日野のトマトは「桃太郎」系と「ファーストトマト」系の二つが主流です。3月ごろからハウス栽培の「桃太郎」トマトの販売が始まります。

そして、4月の中旬を過ぎると「日野ファーストトマト」と名付けられた温室トマトが出そろい、5月に最盛期を迎え、あちこちの直売店で手に入れることが出来ます。

一段落すると、露地ものの「桃太郎」が出て、夏まで美味しいトマトが楽しめます。

画像 川辺堀之内のファーストトマト

ブルーベリー

ブルーベリーを果実として栽培が本格化したのは昭和46年、東京都小平市の農園が始まりで、現在は全国的に栽培が進んでいます。

市では、昭和60年代に新井地区に摘み取り園が1園あり、遠方から多くの来客がありました。そのような中、平成10年に「日野市ブルーベリー研究会」が発足し、東京都と日野市の補助支援により作付面積が増加しました。

現在では市内に14軒の摘み取り園があり、年々増加しています。7月から9月上旬までがブルーベリーの最盛期です。ブルーベリー農園はすべて入園料なし。摘み取った果実はどの園も共通価格100グラム200円です。

画像 ブルーベリーの実

リンゴ

都内ではめずらしい、もぎ取りの出来るリンゴ園が百草の倉沢地区に集まっています。自然の中で育まれたリンゴの味をお楽しみください。

画像 秋に行われるリンゴのもぎ取り

イチゴ

12月から5月まで、温室栽培される品種「とちおとめ」は、まだまだ収穫量が少ないので、いつもというわけにはいきませんが、日野バイパス沿いにある日野農産物直売所(万願寺)や高幡不動駅近くにあるJA東京みなみ七生支店などで真っ赤に熟したイチゴが売られています。

いちごを栽培するハウス

ブドウの「高尾」と同じく立川市にある東京都農業試験場(現在の東京都農林総合研究センター)で生まれ、品種登録された「東京御所」という柿です。

上品な甘みでそれでいて口の中に広がる芳醇さが残るフルーティな味わいです。柿は10月下旬から11月中旬までが旬です。他にも「富有」「太秋」「禅師丸」といった柿が栽培されています。