[PR]

 噴火で12人の安否がわかっていない御嶽山(おんたけさん=長野・岐阜県境、3067メートル)で、自衛隊や警察、消防の捜索隊は、7日朝から3日ぶりに捜索活動を再開し、心肺停止状態の3人を見つけた。長野県警は、うち1人の死亡を確認。死者は52人になった。山頂付近には、これまでで最も多い約440人を派遣。捜索範囲を広げ、新たな装備や機材も使って、後方支援を含め約960人態勢で登山者の発見をめざす。

 7日は山頂付近の天候が回復。長野県は早朝にヘリで山頂周辺や登山道の状況を上空から確認して、捜索再開が可能と判断した。

 捜索隊はこれまで、無事に下山した登山者らの情報をもとに登山道やその周囲を重点的に捜索してきたが、捜索範囲を山頂付近の全域に広げた。全地球測位システム(GPS)などを使い、くいとロープで区域を分割。それぞれの区域に最大で約100人を投入した。

 横一線に並んだ捜索隊員たちが降り積もった火山灰に棒を刺したり、地雷探知機で灰の中を探ったりした。東日本大震災や昨年10月に起きた伊豆大島の土石流災害でも使った方法だという。

 ただ、山頂付近の火山灰は台風18号による降雨で水を含み、ぬかるんでいる。自衛隊は、捜索隊を山頂付近に輸送する大型ヘリの機体が沈んで離陸できなくなるのを防ぐため、4本のタイヤに長さ約3メートルのスキー板のような部品を新たにそれぞれ取り付けた。

 捜索隊員も泥状の火山灰が靴に入り込むのを防ぐため、すねの部分を覆う「脚絆(きゃはん)」を身に着けた。また、捜索中に噴火や小さな爆発があった場合に噴石から身を守るため、この日から金属製の盾を捜索現場に持ち込んだ。陸上自衛隊の平位一郎・第12施設隊長は6日夜、「ここが頑張り時だと思っている。一歩でも前に進みたい」と語った。