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【東京】

荻外荘 憩いの場に 近衛文麿の私邸 庭園を整備

近衛文麿邸(左奥)の一部を整備して作られた荻外荘公園(仮称)=杉並区荻窪で

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 三度にわたり首相を務めた近衛文麿(一八九一〜一九四五年)の私邸「荻外荘(てきがいそう)」(杉並区荻窪)の南側庭園が公園として整備され、十四日から一般開放される。芝生の広場からは高台に位置する邸宅が望め、区民らの憩いの場になりそうだ。 (石原真樹)

 荻外荘は敷地約六千平方メートル。伊東忠太が設計し二七年に創建。三七年に近衛が別荘として購入した。東条英機ら政府や軍の要人が訪れて重要な話し合い「荻窪会談」が行われたことで知られる。戦争責任を問われた近衛は敗戦後にここで服毒自殺した。

 邸宅に住んでいた近衛の次男で元東大教授の通隆さんが二〇一二年に亡くなり、妻も邸宅を離れた後、マンションの建設計画が浮上した。このため地域住民から保全を求める声が上がり、区が一四年に約三十一億円で取得した。

 今回整備した南側庭園は約二千三百平方メートル。近衛が住んでいたころは芝生で、近衛がゴルフを楽しんだとされる。戦後の食糧難の時期には畑にしたこともあったという。近年は駐車場とアパートになっており、区は周囲のクスノキの大木などは残して芝生の広場を整備。邸宅前に植えられたしだれ桜やツツジが季節ごとに楽しめる。

 邸宅は耐震工事が必要で、内部の公開時期は未定。応接間を含む約半分は天理教東京教務支庁(豊島区)に移築されており、再移築を交渉中だ。国の史跡としての指定を目指す。

 南側庭園の開放は午前九時から午後五時まで。十四日午前十時からセレモニーがあり、花鉢が配られる(同九時半から整理券を配布)。

 

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