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 三重県埋蔵文化財センターは、松阪市和屋町の朝見遺跡で「平成」と書かれた平安時代中期(10世紀前半)の墨書土器片が出土したと発表した。櫛田川の氾濫(はんらん)を鎮めるための祭事に使われたと推定している。14日に同市で開く今年度の発掘成果報告会「おもろいもん出ましたんやわ@三重2014」で展示し解説する。

 センターによると、土器片は長さ約12センチ、幅約10センチ。「平成」の墨書は長さ約5センチ、幅約2・5センチ。「平成」の墨書土器出土は県内では初めて。全国でも極めて珍しいのではないかという。当時の櫛田川の川底跡から、「保平」など「平」の字が書かれた他の墨書土器片とともに見つかった。担当者は「洪水への平穏無事を祈るために書いたのではないか」と話す。

 「おもろいもん出ましたんやわ」は14日午後1時~4時半、松阪市嬉野川北町の県埋蔵文化財センター嬉野分室で。他の展示物は、伊坂城跡(四日市市)の室町時代の火縄銃の玉▽朝見遺跡の平安時代の青銅鏡▽野添大辻遺跡(大紀町)の室町時代の小型供養塔や茶の湯の風炉(ふろ)など。展示総数は15遺跡の約250点。

 このほか、センター職員が派遣された東日本大震災復興に伴う発掘調査のパネル展示と解説もある。午前9時半~正午には、公開講座「三重の考古学最前線2014」が開かれる。いずれも無料。問い合わせは嬉野分室(0598・42・5886)へ。