経団連が5年ぶりに政治献金への「関与」を復活させる。8日、榊原定征会長が会員の約1300社に対し、政治献金をするよう「呼びかけ」を再開する方針を正式に表明した。強制ではない形だが、事実上は経団連が主導し、カネの面で安倍政権支援を強める。

 同日開いた会長・副会長会議で、榊原会長が献金呼びかけの方針を説明した。この後の会見で榊原会長は「民主政治にかかる費用の負担は、企業にとって社会貢献の一つ。会議でも基本的に了承を得られた」と述べた。11日の審議員会議長・副議長会議を経て正式に決め、会長名の文書で会員企業に献金を呼びかける。

 献金する、しないは企業が自主的に判断する、としている。ただその際、経団連がつくる政党への政策評価を「各企業の判断材料の一つにしてもらう」(榊原会長)と説明している。具体的な政党を明示しての呼びかけはしないが、経団連は安倍政権支持を鮮明にしており、結果として自民党への献金につながるとみられる。