【春場所】琴欧洲が引退　史上４位の大関在位４７場所

　大相撲で欧州出身初の大関となり、史上４位の在位４７場所を記録した西関脇・琴欧洲（３１）＝佐渡ケ嶽部屋＝が春場所１２日目の２０日、現役を引退した。同日、日本相撲協会に引退届を提出した。今場所は２日目から９連敗と精彩を欠き、１１日目（１９日）に左肩の負傷で休場し、体力と気力の限界を理由に決断した。

　１月に日本国籍を取得した琴欧洲は年寄名跡を持っていないが、大関経験者が引退後３年間は力士名のまま日本相撲協会に残れる規定により、「琴欧洲親方」として後進の指導に当たる予定。

　琴欧洲「精神的にも体力的にも限界だった。何回もけがをしたけれど、１２年頑張ってきたので悔いはない。相撲は自分の人生。お相撲さんになって良かった」

　佐渡ケ嶽親方（元関脇・琴ノ若）「けがが治れば（相撲が）まだ取れると思った。でも本人が、もう気力がありませんと言った。いつかこういうときが来るとは思っていたけど、早かった気がする」

　◆琴欧洲　勝紀（ことおうしゅう・かつのり＝本名・安藤カロヤン）　西関脇、ブルガリア・ベリコタルノボ出身、佐渡ケ嶽部屋。レスリングの元欧州ジュニア王者で、０２年九州場所初土俵。０４年秋場所新入幕。０６年初場所に大関昇進。０８年夏場所で初優勝。昨年秋場所から２場所連続途中休場し、連続負け越しで大関から転落した。優勝１回。殊勲賞２回、敢闘賞３回。２０２センチ、１５５キロ。３１歳。