■同じ年に晴海・豊洲で万博も 入場券100万枚販売
五輪とほぼ同じ時期、もう一つの国家プロジェクトも盛り上がりを見せた。万博だ。当時は五輪より大々的に進められたという。
規模も大きかった。晴海と豊洲、そして台場にかけてが会場となる予定だった。晴海には日本館、豊洲には外国館を配置するプランだったらしい。
痕跡がほとんど残っていない五輪と比べ、万博はあちこちに「実物」が残っている。
まずは入場券。抽選券付きで発売され、100万枚が完売した。中央区にある郷土天文館(タイムドーム明石)に本物が残っている。
この入場券、実は大阪万博でも使われた。中止となった五輪に対して万博はあくまで「延期」とされ、大阪万博は東京万博の延長線上ととらえられたためだ。郷土天文館の増山一成さんによると、大阪万博で3077冊、さらには2005年の愛知万博でも48冊が使われたという。
建造物でいえば、築地と月島を結ぶ勝鬨(かちどき)橋は、万博に合わせて造られた。会場への玄関口と位置付けられ、世界に日本の技術力を誇示する狙いがあったという。
テーマ曲も創られた。「日本万国博覧会行進曲」だ。歌詞は一般公募し、レコード会社6社がそれぞれ別の歌手で売り出した。「青い山脈」で知られる藤山一郎もその1人。各社競作でテーマソングを売り出す手法は、後の大阪万博にも引き継がれた。この万博行進曲も、郷土天文館で聞くことができる。
2020年東京五輪の開催が決まり、湾岸エリアでは開発が加速している。この地区では過去何度も、大きなイベントが計画されてきた。戦前の万国博覧会(万博)や五輪、庁舎の移転構想、そして世界都市博覧会(都市…続き (3/8)
2011年4月から連載を始めた「東京ふしぎ探検隊」。第1回のテーマは「日本一長い地下通路、歩いてみたら…」だった。東京・大手町から地下だけでどこまで歩けるかを検証した。東銀座まで約4キロがつながって…続き (2/28)
開業100年目を迎えた東京駅。丸の内側にある中央線のホームに立つと、昨年復元した赤レンガ駅舎が目の前に見える。この中央線ホーム、他のホームと比べると1階分、高い位置にある。5面ある在来線ホームの中で…続き (2/14)
各種サービスの説明をご覧ください。